こんにちは、加茂駅前校の津村です。
さて、山城学区の中3生は月曜日に卒業式を終え、あとは中期組の結果発表を残すのみとなっておりますが、加茂駅前校ではすべてのテストが終了し、生徒・講師ともに穏やかな時間が流れております。
さて、本日は今年の入試の総括としまして、『中学校新課程と公立高校入試の変化』についてみていこうかと思っています。まあ、こればっかりは実際に問題が出てみない事には分かりませんので(笑)
さて、前期・中期試験と例年の問題たちをじっくり問題とにらめっこして分析をかけてみました。個人的な主観はこんな感じ!
国語(主観:平年並み)
文章自体は特に中期試験でとっつきやすい印象。知識問題の配点も例年並みではあるが、レパートリーがなかなか多岐にわたっていたのが興味深い状況。
発表や資料整理など、文章題以外の授業の重要性はココからどんどん上がっていくであろうというイメージが湧く。
PICK UP
中期 大問1(4)
『大』という漢字の成り立ちについて、次の(X)(Y)に当てはまる選択肢をそれぞれⅠ群・Ⅱ群から選びなさい。
物の形をかたどる事でその文字を表現する漢字を( X )文字と言う。『大』という漢字も( Y )と同じく( X )文字に分類される。 |
【Ⅰ群】
(ア)象形 (イ)指示 (ウ)会意 (エ)形声
【Ⅱ群】
(カ)本 (キ)羊 (ク)知 (ケ)油
津村のコメント
漢字の分類に関わる問題は結構レアリティが高いと思い、今回PICK UPいたしました。ここには載せていませんが、中期現代文のラストには批評分の書く時の注意が出題されており、本当に何を聞かれてもおかしくないんだなぁと感じさせてくれます。
社会(主観:難化)
これまでの試験に比べ知識問題が減少し、票・グラフの読み取りや割合を用いた計算問題など『1問1答』に特化すると確実に躓いてしまう問題が多かった。
今まで以上に、記述などの『理由を答える問題』をしっかりとこなせるようになることが重要になると感じた。あと、個人的には地図記号系の問題が出なかったのは、地味~に衝撃だったかなぁ……
PICK UP
中期 大問3(2)
今年度公立試験問題より写真として引用
津村のコメント
この問題を解くには『この白い壁の建物はどんな気候で見られるのか?』『その気候区分が世界のどの個所にある(多い)のか?』という2つの知識が必要であり、その理解のためには『なぜ白塗り&窓小さめ+ブラインドが快適なのか?』を理解しているかどうかで知識の定着度が大きく変わってきます。とても『社会は暗記科目』と一言で済ませていい訳がないという事を痛感させる良問でした。
数学(主観:易化)
過去問などでは状況把握に時間がかかるような規則性の問題をはじめ、全体的にとっつきやすい問題が多かった。
しかしながら、今年の共通テストのように来年度本気を出す(トラウマ)ことも想像できるため、引き続きいろいろな出題パターンに慣れていく必要がある。
PICK UP
中期 大問2(2)
2つのサイコロを振り、出た目をa,bとする時、a/bが循環小数となる確率は?
津村のコメント
数字の分類に関わる言葉は、急に聞かれると困る事が多いと思います(笑)。こういった意表を突いた(?)問題にも対応できるように計算だけでなく言葉についてもしっかりと押さえておきましょう。
理科(主観:難化)
実験・観察の記録から出題するというスタンスこそ崩さなかったものの、こちらも社会同様に表の読み取りや計算問題が増えたように感じます。
PICK UP
中期 大問6(2)
今年度公立試験問題より実験概要を写真として引用
〈実験〉において酸化銅3.20gと炭素粉末0.36gの時に残った黒色粉末を物質X、酸化銅2.40gと炭素粉末0.12gの時に残った黒色粉末を物質Yとしたとき、X・Yの組み合わせとして正しいのは次のうちどれ?
(ア)X:酸化銅 Y:酸化銅 (イ)X:酸化銅 Y:炭素
(ウ)X:炭素 Y:酸化銅 (エ)X:炭素 Y:炭素
津村のコメント
酸化銅と炭素粉末が過不足なく反応する質量比を見つけて、問題で与えられているX・Yが果たして酸化銅なのか炭素なのか(両方黒なのがなんともイヤラシイ!)を質量比から考えた過不足から見分けるという問題です。そして、この問題の恐ろしい所が、この後にゴリゴリの計算問題である(3)を仕込んでいるという点。一応前提知識があれば2年生でも解くことは出来ますが、なかなかハードで面白い問題でした。
英語(主観:平年並み~やや難化)
共通テストのリスニング配点の変更(200:50 ⇒ 100:100)から、下手したらリスニングの配点が上がるかと思っていましたが、そんなことはありませんでした(笑)
PICK UP
前期 大問4(2)
それぞれの質問に対する答えとして最も適当なものを次の(ア)~(エ)から選び、記号で答えなさい。
※以下はリスニング問題のため、実際は放送で流されたものを聞き取って解答します
(ア)A brown cap and a black bag.
(イ)A blue cap and a black bag.
(ウ)A brown cap and a blue bag.
(エ)A blue cap and a blue bag.
放送原稿
A:Hi,Emma. What will you buy for Kana’s birthday?
B:Hi,Saki. I found a brown cap and a black cap last week.
A:Oh,I went shopping yesterday and bought a blue cap for her.
B:OK,then I will buy only the bag. I hope she will like it.
津村のコメント
加茂から受けた受験生たちが例年より難しかったと口をそろえていたのが前期英語のリスニングでした。あまりにもそのような声が多いのでリスニング原稿を確認すると理由はハッキリしました。今までであれば重要な分は後半にあるどこかの1文で答えが分かってしまうような問題が多かったのですが、上記の問題は2~3文目にまたがるように聞き取るべきキーワードが入っており、おまけに2文目にはブラフまで備わるという、なかなか嫌らしい原稿でした。配点は上がっていないものの、リスニングのレベルは今後も上昇していくと見て問題ないでしょう。
さて、いかがでしたでしょうか?
個人的には特に難化の傾向が高いように感じた理科・社会で『新傾向を取り入れるぞ!』という気概を感じた公立入試となりました。しかしながら、先ほど数学の項でも若干触れた通り、『変わりたてやから今年は様子見。来年度から本気出す!』の可能性も十二分に残されていると踏んでいます。
さて、集団指導部などでは年度が替わり新学年として頑張っている子供たちも多くいます。加茂駅前校でも新年度に向けてしっかりと子供たちと頑張っていけたらと思います。