今日は高校入試の合格発表日。宇治田原校にもうれしい声がたくさん届きました。みんな本当によく頑張りました!
来月からは高校生。また一緒に頑張りましょう!!
個別指導塾 リンクスの日常をご紹介します。
今日は高校入試の合格発表日。宇治田原校にもうれしい声がたくさん届きました。みんな本当によく頑張りました!
来月からは高校生。また一緒に頑張りましょう!!
こんにちは、加茂駅前校の津村です。
さて、本日は卒業式。加茂駅前校周辺の中学校も本日に式を執り行っていました。本来であれば卒業式時に校門前で出待ちなんかをしたいと思ったりしていますが、マスク推奨の解除となった現在もマスクをつけながら卒業式をしている様子から、自重をする津村でした。来年こそは……
さて、本日は前回に引き続き、今年の入試の総括としまして、『公立高校入試の総括』を行います! 昨年は理社の難化が見られましたが、果たして今年はどうだったのでしょうか?
前期に続き、読みやすい問題が多かった印象。実際に泉川中学校では2年生が国語の時間に内容に触れるなどをしていたようで、問題自体がそこまで難易度が高くなかったことを示す所作なのかもと感じられる。傾向自体も大きく変わることはなかったため、赤本での練習量で出来が変わるように思います。
こちらも例年通り地歴公民混合問題ががっつりと出題された。例年に比べて単元横断が節操なく飛び回り、かなり荒ぶっていたような感覚。ただし、その状況に順応さえすれば、問題自体は語句問題から地図・グラフ・資料読み取りといつものパターンであるともいえる。
大問4(3)※要約
次の文章はサウジアラビアから日本まで石油を運ぶルートの説明である。このルートにあたるラインを地図上に書き記せ。 【地図】【文章】 アラビア半島に位置するサウジアラビアを出港し、ペルシャ湾を出た後、マレー半島の南端を回って北上し、さらに台湾とフィリピンを隔てる海峡を通って日本に入港する。
実際の石油の輸送に使われている航路を答える問題であり、大まかに世界の国の位置や地名をしっかりと把握する必要のある問題。
ちなみにこの内容は『地政学』という外交や国家間の戦争について考える上で非常に重要な学問の基礎部分となっています。
【答え】
こうやって見ると、台湾有事は日本に中国軍が来なくても大きな影響があることが分かりますね(汗)
比較的簡単だった去年に比べて、それなりに思考力も求められるような、歯ごたえのある問題がそろった印象。ただし、状況の理解や規則性の発見などが難解な問題はあまり多くないので、落ち着いて状況を整理できるかが一番の鍵となっている。激ムズ化しなくてよかった~
中期 大問3(2)※要約
袋X・Yからカードを取り出し、数字の大きい方が勝ちというゲームを行う。袋Xに4のカードを、袋Yには2・5・7・8・10・13のカードを入れて袋X・Yの勝率を同じにするには袋Yにはどのカードを入れるべきか。考えられるものを全て選べ。
確率の難しい問題は『状況を読み取りづらい』事が原因だったりする事が多いですが、この問題は『確率を1/2になるようにしなさい』という、答えがいくつもあるような、別の方向で面倒な問題。
お互いのカードは4枚ずつとなるので、4×4の表や樹形図を記入して8/16となるように調整を行えば問題は解ける。
1 | 4 | 9 | 12 | |
3 | Y | X | X | X |
6 | Y | Y | X | X |
11 | Y | Y | Y | X |
? | Y | Y | X | X |
このように『4には勝てて9には負ける』カードをYに入れればよい。
【答え】
5・7・8
確実にここ2年間で計算・思考問題を増やしてきており、恐らく受験生が一番戸惑ったであろう教科。ただ言葉を覚えるだけ・実験の内容を理解しているだけという時代は完全に終わりを迎え、ここからは一定の思考力を求められる問題が出ることが予想されます。(正直、ウチでも何か別途で対策を考えようというレベルだったり……)
中期 大問8 ※要約
Aさん:この荷物、重たすぎます。床に摩擦がなかったら楽に運べるのに! 先生:まあ、その通りではあるが、その場合は人と床の間も摩擦が無くなるぞ。 Aさん:あ、そっかぁ。荷物にも人にも床との摩擦がない場合、どんなことが起こるんですかねぇ。 先生:じゃあ、こんな図の状況を考えてみるぞ。先生:摩擦のない床の上で、自分より重い荷物を床と平行に押すときに、床に垂直・平行な向きにかかっている力に分解して考えて、人と荷物がどう動くか考えるぞ。 (後略 問題はすべて会話分の穴埋め)
京都の問題は、実際の実験にのっとったものが多いのですが、この問題はまさかの『思考実験』という実際に起こっていない事・起こりえない事を想像しながら解いていく問題になっています。公式などにあまり触れていない中学生が思考実験について考えるには、似たような事例をうまく想像できるかどうかが重要です。今回のケースですと、『よく滑る台車とローラースケートを履いた人が実験を行う』といったケースや『スケートリンクで実験を行った』といった状況が近いと言えるでしょう。
点数配分は昨年と全く変わらずだが、長文問題が例年より短く、とっつきやすくなったような感覚。問題内容としても、文法から内容理解・内容理解を踏まえた上での読み取りや会話文など、本当におなじみの構成。こちらも国語同様に赤本での練習量が大事だったように感じる。
さて、いかがでしたでしょうか?
個人的には年々難しくなる理科に戦々恐々する子が新中3生にも多いんじゃないかなぁと想像してしまったりしています。
とは言え、どんな状態でもしっかりと問題に向き合える状態にしてあげる事が塾としての務めです。改めて兜の緒をが締まるような気持ちになる問題分析でした。
こんにちは!リンクス個別指導城陽校の栗本です。
本日から3月となりました。
中学生・高校生の中でも学年末テストが終わった人、来週ある人。
受験生の中でも中期選抜まで最後の努力を頑張っている人など置かれている現状は様々だと思います!
さて、リンクス個別指導城陽校では、3月6日(月)から新年度の授業が始まります!
学校は4月からなのに塾は1カ月早いんです。
理由は、1学期中間テストがどの学年の生徒にとっても、とても重要だからです!
1年間の始まりのテスト。そこで今までの自分と少しでも違う結果が出せれば、1年間きっと頑張れる!
そのために、3月から今の学年の復習、新学期の予習とどんどん学習を進めていって、テスト前に焦らなくていい状態を作りましょう!
そして、新年度から頑張ろう!という方を応援するため、リンクス個別指導城陽校では、モニター生として完全無料で体験授業を行います!
今頑張ろうと思った気持ちを大切にぜひリンクス個別指導を体験してみてください!
年があけて1月~3月は一年で一番忙しい時期です。
中学生は、中3生の学年末テスト・私立高校入試・前期選抜入試・中12生の学年末テストそして中期選抜入試。
高校生は共通テスト・3学期中間テスト・私立大学入試・国公立大入試と、たくさんのテストが襲い掛かってきます(敵では無いんですけどね)。
もちろん全員が全てのテストで満点取って、受験も全て合格なら言う事無いのですが、どれだけ頑張っていてもそれぞれに挫折や壁は立ちはだかります。
こういった時期に、毎年数名心が折れそうになる生徒がいます。
「頑張れ!」というだけなら誰でも出来ますが、その言葉がプレッシャーになる生徒も少なくなく、私も一人ひとりの性格や状況をみてコミュニケーションを取ります。
これまで多くの生徒を見てきて、メンタルが強い生徒は「目標を人に明確に話せる」という共通点があります。行きたい学校でも、なりたい職業でも、数か月先の自分の姿でも何でもいいので、一度立ち止まって自分が何をやりたいのか、何のために今頑張っているかを見直してから進んでください。
この続きはまた春に。
全員が笑顔で4月を迎えられるよう私も全力でバックアップしたいと思います。
みなさん、こんにちは。
久我の杜校の林です。
さて、早いもので2月も4分の3が終わりました。
中学生も今日から学年末テストです。
中3生は1月の終わりに実施していましたので、今回は1・2年生です。
今週は祝日が途中にあることもあって、いつもと違う火曜・水曜にテストです。
先ほど、13時頃に初日のテストを終えて帰ってくる中学生を見かけました。
ほっとした顔の子もいれば、足早に変える子も・・・。
取り敢えず、一日目お疲れ様、あと一日、もう一頑張りやで。
と言いつつ、この後15時からテスト勉強に来る(呼んでいる?)生徒がきます。
これで学年の成績が決まります。
1点でも多く取れるように、もう一息、もう一歩頑張ってもらいます。
ちなみに、明日は公立高校前期選抜の合格発表です。
一人でも多く良い結果を得られることを祈ってます。
こんにちは、加茂駅前校の津村です。
さて、加茂駅前校では2/6から奈良の私立が、10日には京都私立・16日に前期試験と受験生たちが続々と試験を受けてきました。
まずは、毎年恒例の合格校の発表から!
高大連携Sコース:1名
国際理解Gコース:1名
総合進学コース:1名
看護学科:1名
インテグラル:1名
総合類型:2名
アドバンスコース:2名
ジェネラルコース:7名
ひとまず、無事に全員高校生になることが出来るようでホッとしています。
(まあ、高校浪人なんてほとんどないのですが 笑)
しかし、ほとんどの生徒の本命は公立入試。引き続きバリバリと指導を行っていきます!
さて、そんな入試期に個人的に楽しみにしているのが問題傾向の分析。なんやかんやで7~8年くらい公立の問題をいろいろと見続けているので、『今年はどんなん出たかな~』と(受けてきた生徒の疲労感とは裏腹に)楽しみにしながら問題を見ています。例年に倣って、今年の問題がどんな感じだったのかを津村目線で分析したものを載せさせていただきます。
人文学系統の現代文2題と古文1題といういつもの構図ですが、古文が読みやすいなどの理由から昨年に比べて簡単だったように感じます。
また、問題自体は知識系が16/50点と3割を占めるいつもの構図ですが、特にこの辺が簡単だったので、そこでどれだけミスがないか・それ以外でどこまで点を稼げたかがポイントとなってきます。
大問1.(2)
本文中の一律・浮き彫りにするの意味として適当なものを、次の選択肢の(ア)~(エ)・(カ)~(ケ)の中から選びなさい。
一律
(ア)例外なく全て同じ (イ)はっきりしていて確か (ウ)深みがなくて単純 (エ)秩序だって厳格
浮き彫りにする
(カ)新たにする (キ)目立たせる (ク)華やかにする (ケ)ゆがませる
意外と今までの問題では多くなかった印象の問題が、このような普段使う言葉を説明させる問題。急に出てくると結構ヒヤッとするものです(笑) 普段、自分だけでなく大人やニュースキャスターなどがどうやってこの言葉を使っているのかというのがこの問題を解くときの大きなヒントとなると思います。
答え:(ア)・(キ)
まあ、去年がけっこう簡単だった印象がありますので(笑)
問題配置はいつものように1.小問・2.統計・3.空間図形・4.関数・5.平面図形・6.規則性と大きな変化はありませんでした。(まあ、2.の統計が資料の整理と活用なのは若干のレアポイントだったりしますが…… たぶん中期は確率が大問にあると思います)
クセの強い問題はあまり見られませんでしたが、正確な数学語句の把握・空間把握能力などをバランスよく見るテストだったと思います。
個人的にはここ数年で一番好きな難易度感かもしれない……(ぇ
大問4
以下の図のように関数y=a/xのグラフ上に3点A,B,Cがあり、点Aの座標は(2,6)、点B,Cのx座標はそれぞれ4と-4である。また、2点A,Bを通る直線とy軸との交点をDとする。
(1)aの値と△BDCの面積を求めよ。
(2)点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をEとする。また、直線BE上に点Fとり、四角形COFEの面積が△BDCの面積の2/5倍になるようにする。点Fのx座標を求めよ。
後半の難易度は高いですが、その気になれば2年生でも解けてしまう問題です。座標平面上であっても図形の時に習った定理が使えるかどうかが非常に重要となっています。解説は分けておきますのでぜひ自信のある中学2年生の皆さんは解いてみてください。
答え:(1)a=12,△BDC=36 (2)8/5
解説はコチラ
リスニングの配点から英作文の配点まで全く普段通りで、長文自体のレベルも大きく難しくはないというのが実際の印象です。例によって長文問題をどれだけ効率よく読めているのかが大きなポイントと言えると思います。
大問3(7)
本文中の内容(略)に合うように次の質問に指定語数で英語で答えよ
(a) Do Ryo’s uncle and Ken work as a guide on the tour in all seasons? :3語
(b) What were the corals like to Ryo when he finished transplanting them?:4語
本文内容は、親せきの家に遊びに行った良(Ryo)が、サンゴの綺麗だった海岸からサンゴが死滅している事にショックを受け、その原因と対策を講じるグループの見学を通して学んだことを発表したスピーチ文でした。こういった問題はしっかりと文章を読まなければいけないのですが、答え方を知っていることで探し出す時間を短縮することが出来ます。例えば(a)であればDo ~ ?と言われているのでYes,I do.かNo,I don’t.の2択しかありませんので、該当箇所を見つけて〇×の判断でOKです。一方の(b)は「~のようだ」と言ってますか?といった具合の質問なので、文中から”like”の単語を探せばすぐに見つかる事でしょう。
答え:(a) No,they Don’t. (b)They were like stars.
さて、いかがでしたか?
前期の結果は水曜日に発表となっています。うまく行かなかった子は「どこで点数を取るか?」を再確認するラストチャンスとも言えます。しっかりと対策の上で中期試験に臨んでください。
このページはこちらの記事の解説ページです。
https://kobetsu.links-edu.jp/blog/?p=6758&preview=true
以下の図のように関数y=a/xのグラフ上に3点A,B,Cがあり、点Aの座標は(2,6)、点B,Cのx座標はそれぞれ4とー4である。また、2点A,Bを通る直線とy軸との交点をDとする。
(1)aの値と△BDCの面積を求めよ。
(2)点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をEとする。また、直線BE上に点Fとり、四角形COFEの面積が△BDCの面積の2/5倍になるようにする。点Fのx座標を求めよ。
(1)aの値と△BDCの面積を求めよ。
まず、aの値については点Aの座標は(2,6)が与えられているため、これを反比例の一般式 y=a/x に代入するのみです。
答え a=12
次に△BDCの面積ですが、反比例のグラフが y=12/x であることが分かった事で、B,Cのx座標が4,-4であることからそれぞれ座標を出すことが出来、それぞれの計算結果より B(4,3)C(-4,-3)となります。またDの座標は点A,Bの2点を通る1次関数の切片なので y=ax+b に代入して連立方程式を解くことで求められるので、 y=-3/2x+9 となることからD(0,9)となります。
そこからは、△BDCをODを底辺とした△OBDと△ODCの2つの三角形として計算をすれば解決です。
答え 36
(2)点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をEとする。また、直線BE上に点Fとり、四角形COFEの面積が△BDCの面積の2/5倍になるようにする。点Fのx座標を求めよ。
イメージとしてはこんな感じでしょうか?(やはりというか難易度は高めです)
さて、この中途半端な位置にある点Fの座標を求める問題ですが、まずは座標Eの正確な値を求めましょう。『点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をE』とするのでy座標は3。それを直線CDの式(y=3x+9)に代入することでE(-2,3)を導出することが出来ます。そして、この点Eは辺CDの中点であり、原点Oも辺BCの中点になることから、線分OEは辺BDと平行となります。
となれば、△BDCの2/5倍となる△CEMを作れるように辺BC上に点Mをとり、そこから等積変形で△OEM=△OEFとなるような点Fをとれば、△CEM=四角形COFEとなり、求めたいFの座標が導出できます。(なお、今回はx座標を求める問題のため、答えにはx座標のみ記載します。)
では、実際にMの座標を求めてみましょう。
△CEMを△BDCの2/5倍にしたいので、底辺の長さ〇倍と高さ◇倍の積が2/5となればOKです。点EはCDの中点なので△CEMの高さはを△BDCの高さの1/2倍。 1/2×〇=2/5 としたいので底辺CMをCBの4/5倍になるように取るとよくなります。となれば、点Mの座標は(12/5,9/5)となり、そこから線分OEと平行になる直線y=-3/2x+bを求め、その式のyの値に3を代入すれば導出することが出来ます。
この際の式はy=-3/2x+ 27/5 となり、y=3を代入するとx=8/5となります。
答え 8/5
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
2023年もよろしくお願いいたします。
さて、新年1回目ということもありまして、
少し趣向を変えて、最近思ったことを綴らせてもらおうかと思います。
どうか、お付き合いください。
それほど、仰々しいものではないのですが、
みなさん、途中式と聞いてどんなことを思い浮かべますか?
「数学(算数)で計算するときに書く式」、
というのが多くの回答だと思いますし、それで合っています。
その途中式なんですが、よく授業時などで書くように指示したり、
書く習慣のない生徒さんには書き方から指導します。
その方が、見直したときに間違いに気づきやすいとか、
計算手順が多い問題を間違えにくくなるとか。
主に数学(算数)の計算力向上を目的にすすめている形ですね。
で、この途中式がどうしたのかということなんですが、
昨今言われている「論理的思考」の助けになるのでは?、
と思い始めています。
助けというと大袈裟かもしれません。
多少役に立っているくらいですかね。(自信なさげ)
でも、きちんと途中式を書くことは、
段階を追って計算していることになりますので、
多少なりとも影響はしていると思っています。
しっかりとした研究はどこかの学者さんにお任せするとして、
計算力の向上に論理的思考を助ける効果もあると信じて、
引き続き、途中式の使用を推進していこうと思う今日この頃です。
なにか取り留めもない話にお付き合いいただきありがとうございました。
また、こういう機会がありましたら、その時は気長にお付き合いください。
本年も、引き続きよろしくお願いいたします。
こんにちは、加茂駅前校の津村です。
さて、年末年始に急にミステリー小説のようなものを書き出していたため、多くの方が『?』となっていたでしょう汗
という事で、今日はこのお話の書くに至った経緯や、小説内に出てきた元ネタについてお話しようと思います。
2学期末が終わり、冬期講習も近づく12月上旬。ウチの教室に通う中学2年生から衝撃の相談を受けました。
『冬休みの数学の宿題、推理小説を書いて来いってのが出るらしい。』
『? 数学で? 推理小説? 国語じゃなくて? そもそも国語でもそんな宿題聞いたことないぞ?』
どうやら聞いていると中学2年生の後半で学習する『証明』の単元は、論理的な説明力が求められるから、〇〇だから△△→△△だから◇◇といった論理展開の練習に最適!ということで出題された様でした。
他の教室の先生と話をしても、このパターンの宿題(当然ですが)は前例がないらしく、もう笑うしかないという表情でした。
とはいうものの、大人ですら『どうやったらそんなもん書けるんや?』となってしまうものです。中学2年生にはかなり大変です。しかも数学の宿題で出されている以上、推理シーンにはしっかりとした論理展開が求められます。
これは実際に書くとしたらどう発想して書き進めるのかも含めてヒントを与えてあげないと手つかずの宿題が気になって冬期講習の授業に集中できないなんて子が出てくるぞ……。
じゃあ書くか。後書くならブログにするか(笑)
という、なんとも軽いノリで中学生の宿題をガチ取り組みする事となったのです。
【宿題の要項】 ・推理小説であること ・文字数は2400字以上 ・数学的な要素が入っている事
ちなみにブログの文字数は合計5500文字程度でした。レギュレーションは余裕の突破です(笑)
さて、数学というと計算やグラフ・図形などを想像してしまう事がほとんとだと思いますが、ここで使う数学は推論です。
推論というと難しそうに聞こえますが、小学校の教科書にも載っている
あきらさん、かつやさん、さとしさん、たいきさんに好きなスポーツを聞きました。4人の答えはバラバラで野球・サッカー・テニス・水泳でした。それぞれの好きなスポーツは何でしょう? ・あきらは野球ではない ・かつやはテニスではない ・あきらとさとしはサッカーでもテニスでもない (啓林館小4 わくわく算数 より引用)
みたいなアレです。この論調でお話を考えれば、
『好きなスポーツはあきらさんがサッカー・さとしさんが野球・かつやさんがサッカー・たいきさんがテニス。そして現場にはバットが落ちていた。ということはさとしさん、あなたが犯人ですね!』
といった具合に一番大事な推理パートがとてもそれっぽい感じに作成することができます。
ただ、4人とかだと小学生でも解けてしまうため、簡単には解けないような形で出題しようとなり、問題方面については凝りに凝りまくった結果、推理小説というよりかは、23人の容疑者とパズル風な証言がそろった『推理をしてもらうための小説』が完成してしました。
会話シーンだらけなことも考慮すると『レイトン教授シリーズ(©レベルファイブ)』の謎を作っている感覚でした。いやー、ゲームデザイナーってすごい。
当然ですが、最初からキャラ設定を考えるような発想力は津村にはないので、ありとあらゆるところからネタを拝借しまくってます。
元々、席の位置をA席・B席……と決めていたので、『Aさん・Bさん……』でも良かったのですが、どうせアルファベットにするならということで、『ギャシュリークラムのちびっ子たち(1963 エドワード・ゴーリー著)』より名前を引用しました。
このお話は
A is for Amy who fell down the stairs (Aはエイミー かいだんおちた) B is for BASIL assaulted by bears (Bはベイジル くまにやられた)
というように、アルファベットに対応した名前の子供たちが順番に死んでいくという大人向け絵本で、多くの作家に影響を与えています。かくいう僕もアルファベットにちなんだ名前を付ける時はこの名前をパクり倒しています。被害者がファニーさんだったのも”F is for FANNY”のページからの引用です。
で、余ったYのヨリックとZのジーラはこの事件に挑む探偵ポジションに落ち着くことになります。
とりあえず、推理の苦手な人目線としてのツッコミ的ポジションをやりながら、相方には証言を見て『なんじゃこりゃあ!(© 松田優作)』と叫ばせることは決まっていました。このネタ、今の学生に通じるのか?
そこで、ツッコミ役かつ相方がボケで倒れた描写が出てきて、フリー素材的な使い方ができるキャラを想像した結果、頭の中で
この画像が浮かんできてしまったインターネット老人会世代の津村なのでした。2ch黎明期を生きた30~40代前半の方には伝わるかも……
無難な落下死ですが、死体発見時の状況については、インターネットで有名な様々な作品のギャグ的な殺害をピックアップして混ぜていました。
『眉間に芋けんぴ』
©松本ひで吉『さばげぶっ!』より
『餡子に顔を埋める』
©よみうりテレビ アニメ『名探偵コナン』より
引用しておいてなんですが、いったいどういう状況なんでしょう(汗)
ここまで見ていただいたら分かるかと思いますが、津村は謎と推理の構成で力尽きて他の設定が驚くほどテキトーです(汗) いいんだよ、宿題の要件は満たしてるんだから
しかし、(有名な話ではありますが)『エビのしっぽってゴ〇ブ〇の体と成分一緒』というのは本当だったりします。まあ、同じ節足動物ですからね(汗)
とはいえ食事中に言われたくない雑学の1つですね。皆さんも会話のTPOについては気を付けましょう。
仕事の合間を使っての執筆でしたが、数学的な思考を持たせるための工夫などを中学2年生までの知識を総動員した場合どうなるのかを考えてストーリーの方向性を決め打った結果、一番重要な推理パートは『理詰めによる真偽判定』だけでなく『ウソの証言から新たな証言を導き出す』というあたりまで掘り下げることができたのでとても満足しています。一方でそれ以外のシーンの掘り下げについてはまだまだ修行が必要かと思います(汗) もっと国語の授業持とう
総合的に考えると、ただ書くだけならどうにかなるけど、よいものを書こうとすると途端に難易度が跳ね上がるような、深みにハマりそうな宿題でした。
さて、いかがでしたか?
教育課程が変わり早2年。今後もこう言った趣向を凝らした宿題の出題はあるかと思いますが、解決策をある程度提示できるように今後もこう言ったことは続けていこうと思っています。生徒の皆さん、他にもおもしろい宿題(長期休暇課題)があったらいつでも教えてくださいね。
※この物語はフィクションであり、実在する人物とは一切の関係がございません。
※こちらは前回のブログの解答編となっております。チャレンジしてみたい方はこちらのリンクへどうぞ。
人物紹介(色はセリフの文字)
探偵助手ジーラ
探偵助手。相槌・ツッコミ担当。
探偵ヨリック
探偵。ジーラの上司。何気に頭いい。
やらない夫警部
刑事。苦労人。本人も部下も頭を使うのは苦手。
ファニーさん
被害者。死に方がカオス。
容疑者たち
ファニーさんと同じ時間に食堂にいた容疑者たち。証言が謎解き風。今回の混乱の元凶。
「ヨリックさん。この無茶苦茶な状況で犯人って見つけられるんですか?」
「さあ?でも1つずつ解き明かしていけば真実にたどり着けるはずだよ。」
この人はこういう時ほど不敵な笑顔を見せてくる。
「じゃあまずはファニーさんの証言をまとめるとこうなるね。」
・犯人は1人だけ ・うそつきがいるが、何人が嘘をついているかは不明。 ・エイミー・ベイジル・クララ・デズモンド・アーネストの5人は信用できる。 ・犯人はファニーと同じものを食べていた。 ・オムライスを食べた人は正直者
あと、ここから証言が正しい人の発言を青で、うそを言っている人の証言を黄色で塗りつぶしていこうか。
推理メモ1
「じゃあ、容疑が晴れる早速正直者をもう数人探していこうか。まず、ネビルさんは正直者クララさんの発言からオムライスなので容疑者から外れる。で、そのネビルさんの証言からクェンティンさん・ローダさんもオムライスを食べたことになるからこの2人も容疑が晴れる。逆にクェンティンさんをうそつき呼ばわりしているオリーブさんはうそつきになるから第一の容疑者となる。あとザクシーズさんもウソをついているね。」
「え、ザクシーズさんもですか?」
「彼の発言はファニーさんがオムライスかうどんを食べたと言っているが、もしファニーさんがオムライスを食べていたら犯人もオムライスを食べていることになるから間違い。そしてうどんを食べた場合だと向かいに座ったアーネストさんがうそつきになるが、これはファニーさんのメッセージとの矛盾が出てくるのでこれも間違いになる。よって、ザクシーズさんもうそつきとなる。そして、これと同時にファニーさんも犯人も共に天丼をたべたという事が分かる。」
ヨリックさんは次々と容疑者候補を選別していく。そのうえでこの解説をするのだ。やらない夫警部も舌を巻いている。
「なるほど。では、マーカーはこれでいいか。」
「ありがとうございます。あと今回は食べたものが重要になるので証言の横に食べたものをメモっておいてください。」
「よし、じゃあこんな感じだな。」
推理メモ2
「じゃあ続けよう。クェンティンさん・ローダさんの証言を整理すると、ヴィクターさんはタイタスさんにうどんを手渡ししているから向かいの席のスーザンさんがうそつきに、ジェイムズさんとケイトさんはタイタスさんと同じものを食べていたから2人ともうどんを食べることになるからその向かいに座ったアイダさん・リーオさんもうそつきになる。」
「なるほど、じゃあこうですね!」
推理メモ3
どんどん正直者とうそつき・食べたものがあぶり出されていく。23人いた容疑者は15人まで減り、特に怪しい人物も5人に絞れている。
これなら行けそう!
と思っていたんだけれど、ここで私とやらない夫警部はまた頭を悩ませることになった。発言の真偽が分からない10人の証言のどこからとっかかればいいのか?私は顔をしかめて、やらない夫警部は集中力が切れたのかタバコをふかしている。
「あれ、もしかして2人とも手詰まり?」
ヨリックさんはもうすでに分かっているようだ。こういう時にもったいぶって黙ってしまう。
「気づいてるならもう聞かせてくださいよ。私たちは総当たりで仮説を立てまくってもう考えるのに疲れたんですから。」
「やれやれ。じゃあ、ここからも名探偵ヨリックの推理タイムと行きましょうかね。」
「いや、君に仕事の依頼をしたんだから君がやるべきだろ。常識的に考えて。」
「じゃあ、推理タイムの続きだ。ここからはウソをついた奴らの証言も参考にしていくぞ。」
「うその証言をですか? うそをついているなら証拠にならないんじゃないですか?」
「そうとも限らないよ。ザクシーズさんとオリーブさんは正直者との矛盾があったから追及する必要はないけど、残り3人は向かいの人がうどんを食べていたという客観的な事実からでしかうそつきを説明できていないんだ。じゃあ手始めにリーオさんの発言を使って考えてよう。『犯人は1班・2班のどこかにいる!』がウソとなるんだから、言い換えれば『1班・2班のメンバーは犯人ではない』とも言いかえれる。」
「そうか、じゃあ残りの2人の発言も反対の意味が本当になるとするなら……。アイダの発言からは『6班で天丼を食べていた人は正直者(犯人じゃない)』という事が、スーザンの発言からは『4班にうそつきは1人まで』という事が分かるのか!」
「そういう事です。そして4班のうそつきはすでにオリーブさんが出てきています。」
「だからモードさんとプルーさんの発言が正しい!これで推理がまた進みだすわ!」
推理メモ4
「とりあえずウソから出た事実には緑のマーカーを引いておこう。さて、この結果、6班にうそつきが2人いることが分かった反面、2班のジョージさん・ヘクターさんが正直者であることが分かったね。そこから、ヘクターさんから天丼を食べていることを確認されたスーザンさんの他に、3班のうそつきは天丼を食べているという内容から、アイダさん・リーオさんは天丼を食べている。これでめでたく容疑者候補筆頭の発生だね。」
「逆にうそつきが半分までの3班にいたジェイムズさんとケイトさんは正直者になりますね。」
「で、その発言が正しいとするならばウィニーさんはうどんを食べていて、5班で唯一うどんを食べていたタイタスさんはうそをついていたという事になる。」
推理メモ5
「そういう事です。で、タイタスさんの発言からザクシーズは天丼を食べておらず、さらにうそつきだからオムライスも食べていません。という事は彼の食事内容もうどんになるから、向かいにいたウィニーさんもうそつきという事になる。そして、この時点でプルーさんの『6班の半分はうそつき』の人数に到達したからウーナさんとヴィクターさんは正直者。そしてウィニーさんの発言から1~3班に犯人がいないという事ですから、アイダさんとリーオさんは無実となります。」
「という事は、犯人は……」
そこからの展開は早かった。やらない夫警部は犯人が分かるとすぐさま部下たちに指示し、浮かび上がった容疑者との街を使った追いかけっこ。港の倉庫街に追い詰めて逮捕へと至った。
推理メモ6
そう、犯人はスーザンさんだった。捕まった観念したのかスーザンさんは素直に供述を始める。
「ついカッとなってしまったんです。天丼のエビのしっぽを食べるのが大好きな私に向かって『エビのしっぽって〇キ〇リの体と成分一緒なんだってね。いやー、ゴ〇ブ〇みたいなのをおいしく食える人ってマジヤバいよね~。HAHAHA。』だなんて……。」
うわ~、確かにそれはエビのしっぽ食べない派の私でも聞きたくなかった……。
「食事中にあんなこと聞かされた私は芋けんぴを投げながらファニーを追いかけまわしていました。そして、屋上にいたときに芋けんぴが眉間に刺さってファニーは下に………。」
彼女は泣きながら謝り続けていた。
黄昏。事件が無事に解決し、私たちは事務所へと帰ることになった。これは後から分かったことなのでが、餡子に顔を突っ込んでいたのはたまたまそこに餡子があったかららしい。この餡子については事件性がないとの事で警察サイドでもスルーすることに決めたようだ。
「無事、解決出来ましたね。ヨリックさん、かっこよかったです。」
「探偵としてなら当然さ。」
ヨリックさんはタバコをふかしながら答えた。ここ、路上喫煙禁止なんだけどなぁ……。そんな考えを押し殺しながら私はさらにヨリックさんに尋ねた。
「そんな事より、私分からないことがあるんです。」
「なんだ?」
「ファニーさん。ぜった犯人分かってたと思いません?」
「えっ?」
「だってそうでしょ。誰がうそつきで誰が正直者かをあらかじめ分かってたかのように答えるし!」
「おい、やめろ。それは作品の都合だから。筆者の構成力の限界だから!」
「もっと言うと容疑者23人も全員分かってたでしょ。だったら最初からスーザンさんが犯人だって」
「はい終ー了ー!」