コラム(?)みたいなもの

遅ればせながら、明けましておめでとうございます。

2023年もよろしくお願いいたします。

 

さて、新年1回目ということもありまして、

少し趣向を変えて、最近思ったことを綴らせてもらおうかと思います。

どうか、お付き合いください。

 

それほど、仰々しいものではないのですが、

みなさん、途中式と聞いてどんなことを思い浮かべますか?

 

「数学(算数)で計算するときに書く式」、

というのが多くの回答だと思いますし、それで合っています。

その途中式なんですが、よく授業時などで書くように指示したり、

書く習慣のない生徒さんには書き方から指導します。

その方が、見直したときに間違いに気づきやすいとか、

計算手順が多い問題を間違えにくくなるとか。

主に数学(算数)の計算力向上を目的にすすめている形ですね。

 

で、この途中式がどうしたのかということなんですが、

昨今言われている「論理的思考」の助けになるのでは?、

と思い始めています。

助けというと大袈裟かもしれません。

多少役に立っているくらいですかね。(自信なさげ)

でも、きちんと途中式を書くことは、

段階を追って計算していることになりますので、

多少なりとも影響はしていると思っています。

 

しっかりとした研究はどこかの学者さんにお任せするとして、

計算力の向上に論理的思考を助ける効果もあると信じて、

引き続き、途中式の使用を推進していこうと思う今日この頃です。

 

なにか取り留めもない話にお付き合いいただきありがとうございました。

また、こういう機会がありましたら、その時は気長にお付き合いください。

 

本年も、引き続きよろしくお願いいたします。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 筆者後語り編

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、年末年始に急にミステリー小説のようなものを書き出していたため、多くの方が『?』となっていたでしょう汗

↓小説はコチラ

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 解答編

という事で、今日はこのお話の書くに至った経緯や、小説内に出てきた元ネタについてお話しようと思います。


Q1.なんでいきなりミステリー小説?

2学期末が終わり、冬期講習も近づく12月上旬。ウチの教室に通う中学2年生から衝撃の相談を受けました。

『冬休みの数学の宿題、推理小説を書いて来いってのが出るらしい。』

『? 数学で? 推理小説? 国語じゃなくて? そもそも国語でもそんな宿題聞いたことないぞ?』

どうやら聞いていると中学2年生の後半で学習する『証明』の単元は、論理的な説明力が求められるから、〇〇だから△△→△△だから◇◇といった論理展開の練習に最適!ということで出題された様でした。

他の教室の先生と話をしても、このパターンの宿題(当然ですが)は前例がないらしく、もう笑うしかないという表情でした。

とはいうものの、大人ですら『どうやったらそんなもん書けるんや?』となってしまうものです。中学2年生にはかなり大変です。しかも数学の宿題で出されている以上、推理シーンにはしっかりとした論理展開が求められます。

これは実際に書くとしたらどう発想して書き進めるのかも含めてヒントを与えてあげないと手つかずの宿題が気になって冬期講習の授業に集中できないなんて子が出てくるぞ……。

 

じゃあ書くか。後書くならブログにするか(笑)

という、なんとも軽いノリで中学生の宿題をガチ取り組みする事となったのです。

【宿題の要項】

・推理小説であること

・文字数は2400字以上

・数学的な要素が入っている事

ちなみにブログの文字数は合計5500文字程度でした。レギュレーションは余裕の突破です(笑)

 

Q2.数学と絡めるための工夫

さて、数学というと計算やグラフ・図形などを想像してしまう事がほとんとだと思いますが、ここで使う数学は推論です。

推論というと難しそうに聞こえますが、小学校の教科書にも載っている

あきらさん、かつやさん、さとしさん、たいきさんに好きなスポーツを聞きました。4人の答えはバラバラで野球・サッカー・テニス・水泳でした。それぞれの好きなスポーツは何でしょう?

・あきらは野球ではない

・かつやはテニスではない

・あきらとさとしはサッカーでもテニスでもない

(啓林館小4 わくわく算数 より引用)

みたいなアレです。この論調でお話を考えれば、

『好きなスポーツはあきらさんがサッカー・さとしさんが野球・かつやさんがサッカー・たいきさんがテニス。そして現場にはバットが落ちていた。ということはさとしさん、あなたが犯人ですね!

といった具合に一番大事な推理パートがとてもそれっぽい感じに作成することができます。

ただ、4人とかだと小学生でも解けてしまうため、簡単には解けないような形で出題しようとなり、問題方面については凝りに凝りまくった結果、推理小説というよりかは、23人の容疑者とパズル風な証言がそろった『推理をしてもらうための小説』が完成してしました。

会話シーンだらけなことも考慮すると『レイトン教授シリーズ(©レベルファイブ)』の謎を作っている感覚でした。いやー、ゲームデザイナーってすごい。

Q3.登場人物たちなどの元ネタなど

当然ですが、最初からキャラ設定を考えるような発想力は津村にはないので、ありとあらゆるところからネタを拝借しまくってます。

容疑者・被害者・探偵たち

元々、席の位置をA席・B席……と決めていたので、『Aさん・Bさん……』でも良かったのですが、どうせアルファベットにするならということで、『ギャシュリークラムのちびっ子たち(1963 エドワード・ゴーリー著)』より名前を引用しました。

このお話は

A is for Amy who fell down the stairs
(Aはエイミー かいだんおちた)
B is for BASIL assaulted by bears
(Bはベイジル くまにやられた)

というように、アルファベットに対応した名前の子供たちが順番に死んでいくという大人向け絵本で、多くの作家に影響を与えています。かくいう僕もアルファベットにちなんだ名前を付ける時はこの名前をパクり倒しています。被害者がファニーさんだったのも”F is for FANNY”のページからの引用です。

で、余ったYのヨリックとZのジーラはこの事件に挑む探偵ポジションに落ち着くことになります。

警察官たち

とりあえず、推理の苦手な人目線としてのツッコミ的ポジションをやりながら、相方には証言を見て『なんじゃこりゃあ!(© 松田優作)』と叫ばせることは決まっていました。このネタ、今の学生に通じるのか?

そこで、ツッコミ役かつ相方がボケで倒れた描写が出てきて、フリー素材的な使い方ができるキャラを想像した結果、頭の中で

この画像が浮かんできてしまったインターネット老人会世代の津村なのでした。2ch黎明期を生きた30~40代前半の方には伝わるかも……

ファニーさんの殺害方法

無難な落下死ですが、死体発見時の状況については、インターネットで有名な様々な作品のギャグ的な殺害をピックアップして混ぜていました。

『眉間に芋けんぴ』

©松本ひで吉『さばげぶっ!』より

『餡子に顔を埋める』

©よみうりテレビ アニメ『名探偵コナン』より

引用しておいてなんですが、いったいどういう状況なんでしょう(汗)

殺害動機

ここまで見ていただいたら分かるかと思いますが、津村は謎と推理の構成で力尽きて他の設定が驚くほどテキトーです(汗) いいんだよ、宿題の要件は満たしてるんだから

しかし、(有名な話ではありますが)『エビのしっぽってゴ〇ブ〇の体と成分一緒』というのは本当だったりします。まあ、同じ節足動物ですからね(汗)

とはいえ食事中に言われたくない雑学の1つですね。皆さんも会話のTPOについては気を付けましょう。

Q4.書いてみた感想は?

仕事の合間を使っての執筆でしたが、数学的な思考を持たせるための工夫などを中学2年生までの知識を総動員した場合どうなるのかを考えてストーリーの方向性を決め打った結果、一番重要な推理パートは『理詰めによる真偽判定』だけでなく『ウソの証言から新たな証言を導き出す』というあたりまで掘り下げることができたのでとても満足しています。一方でそれ以外のシーンの掘り下げについてはまだまだ修行が必要かと思います(汗) もっと国語の授業持とう

総合的に考えると、ただ書くだけならどうにかなるけど、よいものを書こうとすると途端に難易度が跳ね上がるような、深みにハマりそうな宿題でした。


さて、いかがでしたか?

教育課程が変わり早2年。今後もこう言った趣向を凝らした宿題の出題はあるかと思いますが、解決策をある程度提示できるように今後もこう言ったことは続けていこうと思っています。生徒の皆さん、他にもおもしろい宿題(長期休暇課題)があったらいつでも教えてくださいね。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 解答編

※この物語はフィクションであり、実在する人物とは一切の関係がございません。

※こちらは前回のブログの解答編となっております。チャレンジしてみたい方はこちらのリンクへどうぞ。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉


人物紹介(色はセリフの文字)

探偵助手ジーラ

探偵助手。相槌・ツッコミ担当。

探偵ヨリック

探偵。ジーラの上司。何気に頭いい。

やらない夫警部

刑事。苦労人。本人も部下も頭を使うのは苦手。

ファニーさん

被害者。死に方がカオス。

容疑者たち

 

ファニーさんと同じ時間に食堂にいた容疑者たち。証言が謎解き風。今回の混乱の元凶。


1.状況の整理

「ヨリックさん。この無茶苦茶な状況で犯人って見つけられるんですか?」

「さあ?でも1つずつ解き明かしていけば真実にたどり着けるはずだよ。」

この人はこういう時ほど不敵な笑顔を見せてくる。

「じゃあまずはファニーさんの証言をまとめるとこうなるね。」

・犯人は1人だけ
・うそつきがいるが、何人が嘘をついているかは不明。
・エイミー・ベイジル・クララ・デズモンド・アーネストの5人は信用できる。
・犯人はファニーと同じものを食べていた。
・オムライスを食べた人は正直者

あと、ここから証言が正しい人の発言を青で、うそを言っている人の証言を黄色で塗りつぶしていこうか。

推理メモ1

 

「じゃあ、容疑が晴れる早速正直者をもう数人探していこうか。まず、ネビルさんは正直者クララさんの発言からオムライスなので容疑者から外れる。で、そのネビルさんの証言からクェンティンさん・ローダさんもオムライスを食べたことになるからこの2人も容疑が晴れる。逆にクェンティンさんをうそつき呼ばわりしているオリーブさんはうそつきになるから第一の容疑者となる。あとザクシーズさんもウソをついているね。」

「え、ザクシーズさんもですか?」

「彼の発言はファニーさんがオムライスかうどんを食べたと言っているが、もしファニーさんがオムライスを食べていたら犯人もオムライスを食べていることになるから間違い。そしてうどんを食べた場合だと向かいに座ったアーネストさんがうそつきになるが、これはファニーさんのメッセージとの矛盾が出てくるのでこれも間違いになる。よって、ザクシーズさんもうそつきとなる。そして、これと同時にファニーさんも犯人も共に天丼をたべたという事が分かる。」

ヨリックさんは次々と容疑者候補を選別していく。そのうえでこの解説をするのだ。やらない夫警部も舌を巻いている。

「なるほど。では、マーカーはこれでいいか。」

「ありがとうございます。あと今回は食べたものが重要になるので証言の横に食べたものをメモっておいてください。」

「よし、じゃあこんな感じだな。」

推理メモ2

 

「じゃあ続けよう。クェンティンさん・ローダさんの証言を整理すると、ヴィクターさんはタイタスさんにうどんを手渡ししているから向かいの席のスーザンさんがうそつきに、ジェイムズさんとケイトさんはタイタスさんと同じものを食べていたから2人ともうどんを食べることになるからその向かいに座ったアイダさん・リーオさんもうそつきになる。」

「なるほど、じゃあこうですね!」

推理メモ3

 

どんどん正直者とうそつき・食べたものがあぶり出されていく。23人いた容疑者は15人まで減り、特に怪しい人物も5人に絞れている。
これなら行けそう!

 

と思っていたんだけれど、ここで私とやらない夫警部はまた頭を悩ませることになった。発言の真偽が分からない10人の証言のどこからとっかかればいいのか?私は顔をしかめて、やらない夫警部は集中力が切れたのかタバコをふかしている。

「あれ、もしかして2人とも手詰まり?」

ヨリックさんはもうすでに分かっているようだ。こういう時にもったいぶって黙ってしまう。

「気づいてるならもう聞かせてくださいよ。私たちは総当たりで仮説を立てまくってもう考えるのに疲れたんですから。」

「やれやれ。じゃあ、ここからも名探偵ヨリックの推理タイムと行きましょうかね。」

「いや、君に仕事の依頼をしたんだから君がやるべきだろ。常識的に考えて。」

2.偽証の裏に

 

「じゃあ、推理タイムの続きだ。ここからはウソをついた奴らの証言も参考にしていくぞ。」

「うその証言をですか? うそをついているなら証拠にならないんじゃないですか?」

「そうとも限らないよ。ザクシーズさんとオリーブさんは正直者との矛盾があったから追及する必要はないけど、残り3人は向かいの人がうどんを食べていたという客観的な事実からでしかうそつきを説明できていないんだ。じゃあ手始めにリーオさんの発言を使って考えてよう。『犯人は1班・2班のどこかにいる!』がウソとなるんだから、言い換えれば『1班・2班のメンバーは犯人ではない』とも言いかえれる。」

「そうか、じゃあ残りの2人の発言も反対の意味が本当になるとするなら……。アイダの発言からは『6班で天丼を食べていた人は正直者(犯人じゃない)』という事が、スーザンの発言からは『4班にうそつきは1人まで』という事が分かるのか!」

「そういう事です。そして4班のうそつきはすでにオリーブさんが出てきています。」

「だからモードさんとプルーさんの発言が正しい!これで推理がまた進みだすわ!」

推理メモ4

 

「とりあえずウソから出た事実には緑のマーカーを引いておこう。さて、この結果、6班にうそつきが2人いることが分かった反面、2班のジョージさん・ヘクターさんが正直者であることが分かったね。そこから、ヘクターさんから天丼を食べていることを確認されたスーザンさんの他に、3班のうそつきは天丼を食べているという内容から、アイダさん・リーオさんは天丼を食べている。これでめでたく容疑者候補筆頭の発生だね。」

「逆にうそつきが半分までの3班にいたジェイムズさんとケイトさんは正直者になりますね。」

「で、その発言が正しいとするならばウィニーさんはうどんを食べていて、5班で唯一うどんを食べていたタイタスさんはうそをついていたという事になる。」

推理メモ5

 

「そういう事です。で、タイタスさんの発言からザクシーズは天丼を食べておらず、さらにうそつきだからオムライスも食べていません。という事は彼の食事内容もうどんになるから、向かいにいたウィニーさんもうそつきという事になる。そして、この時点でプルーさんの『6班の半分はうそつき』の人数に到達したからウーナさんとヴィクターさんは正直者。そしてウィニーさんの発言から1~3班に犯人がいないという事ですから、アイダさんとリーオさんは無実となります。」

「という事は、犯人は……」

3.解決 そして

そこからの展開は早かった。やらない夫警部は犯人が分かるとすぐさま部下たちに指示し、浮かび上がった容疑者との街を使った追いかけっこ。港の倉庫街に追い詰めて逮捕へと至った。

推理メモ6

 

そう、犯人はスーザンさんだった。捕まった観念したのかスーザンさんは素直に供述を始める。

「ついカッとなってしまったんです。天丼のエビのしっぽを食べるのが大好きな私に向かって『エビのしっぽって〇キ〇リの体と成分一緒なんだってね。いやー、ゴ〇ブ〇みたいなのをおいしく食える人ってマジヤバいよね~。HAHAHA。』だなんて……。」

うわ~、確かにそれはエビのしっぽ食べない派の私でも聞きたくなかった……。

「食事中にあんなこと聞かされた私は芋けんぴを投げながらファニーを追いかけまわしていました。そして、屋上にいたときに芋けんぴが眉間に刺さってファニーは下に………。」
彼女は泣きながら謝り続けていた。

エピローグ

黄昏。事件が無事に解決し、私たちは事務所へと帰ることになった。これは後から分かったことなのでが、餡子に顔を突っ込んでいたのはたまたまそこに餡子があったかららしい。この餡子については事件性がないとの事で警察サイドでもスルーすることに決めたようだ。

「無事、解決出来ましたね。ヨリックさん、かっこよかったです。」

「探偵としてなら当然さ。」

ヨリックさんはタバコをふかしながら答えた。ここ、路上喫煙禁止なんだけどなぁ……。そんな考えを押し殺しながら私はさらにヨリックさんに尋ねた。

「そんな事より、私分からないことがあるんです。」

「なんだ?」

「ファニーさん。ぜった犯人分かってたと思いません?

「えっ?」

「だってそうでしょ。誰がうそつきで誰が正直者かをあらかじめ分かってたかのように答えるし!」

「おい、やめろ。それは作品の都合だから。筆者の構成力の限界だから!」

「もっと言うと容疑者23人も全員分かってたでしょ。だったら最初からスーザンさんが犯人だって」

「はい終ー了ー!」

あけましておめでとうございます

LiNKS宇治田原校の大西です。

新しい年を迎えて、本日より教室も冬期講習再開です。今日から授業の生徒達に聞いていると、受験生は「お正月も勉強してた」「今年は受験生やし家族旅行も無しで勉強した」ととてもうれしい声がきけました。

非受験生はお年玉をもらったり、家族で初もうでと楽しかったようです。

今年も一人ひとり目標はことなりますが、何か一つ目標を達成できるように頑張りましょう!

今年も何卒よろしくお願いいたします。