センター試験&共通テスト 比べてみた

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、週明けでお送りしておりますが、先週の土曜・日曜と2日間にわたって初めてのセンター試験に代わる『共通テスト』が実施されました。記述をするorしないなど実施までゴタゴタした挙句、マーク式に落ち着いたという『変革に失敗した施策』といった印象が強い共通テストですが、『データを用いた思考力・判断力』といった命題は捨てていないので問題の方向性は大きく変わっています!

そこで、今回は私の一番得意な『数学』の中でも『数学Ⅰ・A』にスポットを当てながら、この10年間でどのように変わったのかを実際に比較してみようと思います。


比較:2021年共通テストと2011年センター試験

年度 2021年 2011年
平均点(100点) 53~61 (予備校各社速報値) 65.95
大問1の傾向
Ⅰ.式と計算・図形と計量

中問[1]は基本的な計算がメインだが、最後に会話形式の出題。中問[2]は後半になるにつれて面倒な問題が増えているが、概形がイメージできるとラク。

Ⅰ.式と計算

基本的な計算と命題の問題。出題された計算は数陣組み合わせからひらめく事で計算時間をショートカットできる。

大問2の傾向
Ⅱ.2次関数・データの分析

共通テストらしい実生活における利用問題。中問[1]はとある生徒が短距離走の最速を出すための数学的な思考を織り交ぜた問題。毛色こそ違うが計算自体はまだラク。中問[2]は5年ごとの各時代の産業別就業者割合に関する箱ひげ図。グラフの読み取りをゆっくり行う余裕はあまりない。

Ⅱ.2次関数

例によって軸に変数が入っており、変数込みの範囲を考える力が求められる。場合分けが必要そうで、実は必要ないというオチがある。

大問3の傾向
Ⅲ.確率(選択問題)

箱からくじを引く問題に対する生徒たちの考察の会話内容がメインの出題。ページ数が多く読み込んでしまうとかなりのタイムロス!

Ⅲ.三角比・図形の性質

三角比は基本的な公式利用でOK!図形の性質は正確な図形の描写が必須なレベル。この問題の中では難しめ。

大問4の傾向
Ⅳ.整数の性質
(選択問題)

試行自体は確率のような感じではあるが、実態は不定方程式を用いた問題。確率の問題と勘違いして進んでしまうと式の思案に時間を大きく取られる。

Ⅳ.確率

比較的単純な反復試行の問題。最後の期待値はやや面倒。分母が特定の数のみに依存する分、計算ミスに気を付ければ突破口が見える。

大問5の傾向
Ⅴ.図形の性質
(選択問題)

内接円・外接円に関する問題。こちらは今までのセンターに近い形式の問題となっている。

なし

その代わりすべて必答である。

津村の見解 問題文の総量がかなり増えており、10分増加でもキツい!計算速度のみならず早く読んで早く理解することがとても重要なテストである。 学校で習う基本公式を標準レベルで使いこなす力があれば、充分高得点が狙える!

※補足:キリよく10年前の2011年をピックアップしましたが、この年は『脱ゆとり教育』が始まる直前の年でもあります。教育の方針が10年でここまで変わるとは流石の僕もビックリです。


見比べてみましたがとっても変わっていますね(汗)

特に大問Ⅱ~Ⅲにかけては、共通テストならではの『実生活への利用・資料読み取り』に大きくシフトしているように感じます。他の教科に関しても、実際の問題・様々なサイトを見ていても、理系教科には『文章を速く読み解く』という文系的側面が、文系教科には『資料を活用して論理的に考える』という理系的側面が感じられる問題が増えたように感じます。

どちらにしても、ここからの高校生文系・理系に関わらず『正確な主述関係』『論理的思考』を重視して学習を進めていく事がかなり重要であるように感じられます。個別教育フレックスでもこの変化に対応できるようにイロイロと思案中です!

大学入試に関してのご不安も是非フレックスまでお声がけいただければと思います!