さて、隔週更新。リンクスコラムのお時間です。今回は加茂駅前校の津村がお贈りいたします。さて、今日は受験期以外の小中学生の保護者さんからよーく聞くお悩みについてです。
この夏も各校舎にて夏期講習に差し掛かるに当たり、多くの保護者様と面談をさせていただきました。そんな中で、たくさん聞かれたお悩みがコチラ。
『ウチの子、本を読めって言っても、なかなか本を読まないんです。』
このお悩み、特に国語の成績に困り果てた小学生の保護者さんからよく聞くキーワードです。(経験則ですが、たぶん100%に近い割合で言ってるんじゃないかな……?) 実際、子供たちに聞いてみても本で読むよりも映像化されているツール(ドラマ・アニメ・動画)の方が触れやすいと感じているようで、お盆明けのこの時期になると読書感想文の本が読み終わらないといった悩みを打ち明ける子供たちの姿もチラホラ……という一幕が(残念ながら)見受けられます。
さて、そんな長年多くの保護者を悩ませて久しい読書習慣問題ですが、今年の5月頃、Twitterにて読書習慣に関するこんな投稿が話題に上がっていました。
「ウチの子、本を読まないんです」と悩む家のリビングには本棚がない、という話はよく聞く。(5.6万いいね)
これに関しては、もしかしたら、ドキッとした保護者さんもいたのではないでしょうか? その上で、この投稿者は『親がやらない事を子供がやるわけないでしょ』となかなかにキツい文言で続けていました。
しかしながら、この文言は僕個人としては非常に共感が持てる点があります。というのも、つい先日行われたオリンピックのメダリストたちの生い立ちをまとめたドキュメンタリーなどを見ていると、多くの場合が親や兄姉がきっかけでその競技に出会い、親や兄弟・習い事の先生と切磋琢磨しながら競技にのめりこんでいくというパターンが見られます。
つまり、読書においても根っこは一緒!大人たちが楽しんで本を読んでいる姿を子供たちにどれだけ見せられているかが非常に重要なポイントの1つと言えるでしょう。とはいうものの、実際に小学校も5・6年生ぐらいまで上がってくると、それまでの読書習慣が身についてしまっており、なかなか1人では克服できないのも事実です。そこで本日は『子供と一緒に楽しむ』という手法で一緒に『本の虫』になって読書習慣を身に着けさせる方法を伝授します。
1.本のセレクトは子供に任せる。
まずは本のセレクトについてから。実際に本を読ませるに当たって、親として・大人としてついつい気になってしまうのが、その本の内容です。もちろん、その子の学年に合わせた推薦図書や知育的な内容を孕んだものを読ませたくなる事もあるでしょうし、逆に絵や写真が大半を占めるマンガ・雑誌を見ていると『そんな物ばっかり!』と腹を立てる事もあるでしょう。しかし、本来読書というのは『読みたいから読む』物であり、せっかく興味を持った書物も『ダメ』と一蹴してしまうと、もとより興味を抱いていなかった他の本すら手に取ることから遠ざかってしまいます。なので、まず本を選ぶときは『子供の主体性』を全面的に認めて、本を選ばせてあげて下さい。
2.本の感想を聞き出さない。
さて、これもよくやってしまう事かと思いますが、『どんなことが書いてあった?』と聞くことは(お子様の性格にもよりますが)避けた方が良いコミュニケーションの1つです。日常的に読んでいる本を親子で語り合っているような『訓練された』子供であれば苦も無くできる事ですが、多くの子供たちはそういった訓練を積めていないため、非常に答えに困ってしまいます。そんな中で『何が良かったのかをしっかりと話せないようでは~~~~』といった小言を挟んでしまうと、『本を読んだら面倒なことになる』という意識を植え付けてしまう事になりかねません。ですので、本の感想を聞くのは我慢してください。でも、本当に内容を理解できているのかが気になってしまいますよね。ではどうやって確かめるのか? それは日々のコミュニケーションからです。
3.子供が出した『本で得た知識』のサインを聞き逃さない。
子供たちは語らないだけでしっかりと本から知識を吸収しています。そういったサインは意外と日常の会話の中に隠れているものです。例えば、家でテレビを見ている時に、子供たちが『あ、これ知ってる!』と言ってることはありませんか?そういった言葉を聞き逃さずに『どこで知ったのか』について話をしていると、その知識が読んでいた本から得られていた事があるはずです。そういった時には、いっぱい褒めてあげて下さい。そうすることで『本から知識を得ることが楽しい!』となってくれば、いつの間にか本が大好きな子供になっているかもしれませんよ。
さて、いかがだったでしょうか?
どの方法に関しても一朝一夕で身に付くものではございませんが、季節は夏が終わり秋に移ろうとしています。今一度『読書の秋』という事で親子で一緒に本の世界にのめりこんでみてはいかがですか?きっとその先には本から得られる素敵な世界が広がっていると思います。