こんにちは、加茂駅前校の津村です。
今日のお話は小6からの質問のお話し。
『円周率ってずっと続くのに、どうして3.14で計算するの?』
なかなかハードな質問をぶつけられた訳ですが、改めて考えてみると、ゆとり世代時代に円周率”3”で行っていた頃はなぜマズかったのかなど、結構面白い話が出来るテーマであると思いましたので、今回はその話を書いてみたいと思います。
さて、実際の円周率ですが、3.141592653589793238…… と続いていき、2019年現在で31兆ケタ程度まで計算されています。そんな中で3.14までで止めてしまう理由を考える上で必要な考え方が『有効数字』と言われるものがあります。
例えば、人間の体重であれば、理屈の上では『食事をすると食べた分の重量が増加し、排せつを行えばその分の重量が減る』事になります。しかし、その度に『324g太った』とか『264g痩せた』といった話はしないと思います。これは、体重計の標記自体が『52.4kg』といった具合に100g刻みで刻まれているため、このような食事・排せつ・衣服の重量などをあまり気にせず体重を計ることが出来るようになります。
では、実際の小学校5・6年生で勉強するシーンを想定してみましょう!
5・6年生が勉強する際には円を書くにはコンパスで、その周りの長さを計るためには糸などを使って縁に沿わせて長さを計る方法が使われます。ではその長さを計るための物差しの目盛はどうなっているかと言われると、mm刻みとなっています。すると子供たちから見れば、『直径4cmの円の周りの長さは12.5㎝と12.6cmの間ぐらいで、若干12.6cmの方に寄っている。』という見方になるはずです。つまり4×3.14=12.56となれば適当なわけです。これを、10cmあたりまでの全ての円で考えた上げれば、自ずと『3.14』という値が見えてくるわけです。(まあ、実際にここまで『細かくじっくり』追求する先生は少ないと思いますが……)
当然、円のサイズを大きくすれば、3.14より下の桁に影響された誤差が出てくるわけですが、『400mトラックをスタートラインで一番外側のレーンが3cm長いじゃないか!』といったクレームをつけてくるような選手はまずいないので、大きな問題になるわけでもありません(笑) なので、円周率は3.14あたりで止めてしまうのちょうどいいという理屈になるわけです。
ちなみに、扱うスケールが以上に大きくなる世界では3.14より先の円周率を使う事があります。ただし、その例としても『NASAの宇宙船の軌道の計算のため』といったドデカイ世界観でも15ケタ程度で済んでしまうそうです。
この、有効数字という考え方はややこしく感じる事が多い単元でもありますが、私たちはそれとなくうまく使いこなしている概念でもあります。意外と近くにこの考え方があふれているので一緒に探してみてはいかがでしょうか?