【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 筆者後語り編

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、年末年始に急にミステリー小説のようなものを書き出していたため、多くの方が『?』となっていたでしょう汗

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【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 解答編

という事で、今日はこのお話の書くに至った経緯や、小説内に出てきた元ネタについてお話しようと思います。


Q1.なんでいきなりミステリー小説?

2学期末が終わり、冬期講習も近づく12月上旬。ウチの教室に通う中学2年生から衝撃の相談を受けました。

『冬休みの数学の宿題、推理小説を書いて来いってのが出るらしい。』

『? 数学で? 推理小説? 国語じゃなくて? そもそも国語でもそんな宿題聞いたことないぞ?』

どうやら聞いていると中学2年生の後半で学習する『証明』の単元は、論理的な説明力が求められるから、〇〇だから△△→△△だから◇◇といった論理展開の練習に最適!ということで出題された様でした。

他の教室の先生と話をしても、このパターンの宿題(当然ですが)は前例がないらしく、もう笑うしかないという表情でした。

とはいうものの、大人ですら『どうやったらそんなもん書けるんや?』となってしまうものです。中学2年生にはかなり大変です。しかも数学の宿題で出されている以上、推理シーンにはしっかりとした論理展開が求められます。

これは実際に書くとしたらどう発想して書き進めるのかも含めてヒントを与えてあげないと手つかずの宿題が気になって冬期講習の授業に集中できないなんて子が出てくるぞ……。

 

じゃあ書くか。後書くならブログにするか(笑)

という、なんとも軽いノリで中学生の宿題をガチ取り組みする事となったのです。

【宿題の要項】

・推理小説であること

・文字数は2400字以上

・数学的な要素が入っている事

ちなみにブログの文字数は合計5500文字程度でした。レギュレーションは余裕の突破です(笑)

 

Q2.数学と絡めるための工夫

さて、数学というと計算やグラフ・図形などを想像してしまう事がほとんとだと思いますが、ここで使う数学は推論です。

推論というと難しそうに聞こえますが、小学校の教科書にも載っている

あきらさん、かつやさん、さとしさん、たいきさんに好きなスポーツを聞きました。4人の答えはバラバラで野球・サッカー・テニス・水泳でした。それぞれの好きなスポーツは何でしょう?

・あきらは野球ではない

・かつやはテニスではない

・あきらとさとしはサッカーでもテニスでもない

(啓林館小4 わくわく算数 より引用)

みたいなアレです。この論調でお話を考えれば、

『好きなスポーツはあきらさんがサッカー・さとしさんが野球・かつやさんがサッカー・たいきさんがテニス。そして現場にはバットが落ちていた。ということはさとしさん、あなたが犯人ですね!

といった具合に一番大事な推理パートがとてもそれっぽい感じに作成することができます。

ただ、4人とかだと小学生でも解けてしまうため、簡単には解けないような形で出題しようとなり、問題方面については凝りに凝りまくった結果、推理小説というよりかは、23人の容疑者とパズル風な証言がそろった『推理をしてもらうための小説』が完成してしました。

会話シーンだらけなことも考慮すると『レイトン教授シリーズ(©レベルファイブ)』の謎を作っている感覚でした。いやー、ゲームデザイナーってすごい。

Q3.登場人物たちなどの元ネタなど

当然ですが、最初からキャラ設定を考えるような発想力は津村にはないので、ありとあらゆるところからネタを拝借しまくってます。

容疑者・被害者・探偵たち

元々、席の位置をA席・B席……と決めていたので、『Aさん・Bさん……』でも良かったのですが、どうせアルファベットにするならということで、『ギャシュリークラムのちびっ子たち(1963 エドワード・ゴーリー著)』より名前を引用しました。

このお話は

A is for Amy who fell down the stairs
(Aはエイミー かいだんおちた)
B is for BASIL assaulted by bears
(Bはベイジル くまにやられた)

というように、アルファベットに対応した名前の子供たちが順番に死んでいくという大人向け絵本で、多くの作家に影響を与えています。かくいう僕もアルファベットにちなんだ名前を付ける時はこの名前をパクり倒しています。被害者がファニーさんだったのも”F is for FANNY”のページからの引用です。

で、余ったYのヨリックとZのジーラはこの事件に挑む探偵ポジションに落ち着くことになります。

警察官たち

とりあえず、推理の苦手な人目線としてのツッコミ的ポジションをやりながら、相方には証言を見て『なんじゃこりゃあ!(© 松田優作)』と叫ばせることは決まっていました。このネタ、今の学生に通じるのか?

そこで、ツッコミ役かつ相方がボケで倒れた描写が出てきて、フリー素材的な使い方ができるキャラを想像した結果、頭の中で

この画像が浮かんできてしまったインターネット老人会世代の津村なのでした。2ch黎明期を生きた30~40代前半の方には伝わるかも……

ファニーさんの殺害方法

無難な落下死ですが、死体発見時の状況については、インターネットで有名な様々な作品のギャグ的な殺害をピックアップして混ぜていました。

『眉間に芋けんぴ』

©松本ひで吉『さばげぶっ!』より

『餡子に顔を埋める』

©よみうりテレビ アニメ『名探偵コナン』より

引用しておいてなんですが、いったいどういう状況なんでしょう(汗)

殺害動機

ここまで見ていただいたら分かるかと思いますが、津村は謎と推理の構成で力尽きて他の設定が驚くほどテキトーです(汗) いいんだよ、宿題の要件は満たしてるんだから

しかし、(有名な話ではありますが)『エビのしっぽってゴ〇ブ〇の体と成分一緒』というのは本当だったりします。まあ、同じ節足動物ですからね(汗)

とはいえ食事中に言われたくない雑学の1つですね。皆さんも会話のTPOについては気を付けましょう。

Q4.書いてみた感想は?

仕事の合間を使っての執筆でしたが、数学的な思考を持たせるための工夫などを中学2年生までの知識を総動員した場合どうなるのかを考えてストーリーの方向性を決め打った結果、一番重要な推理パートは『理詰めによる真偽判定』だけでなく『ウソの証言から新たな証言を導き出す』というあたりまで掘り下げることができたのでとても満足しています。一方でそれ以外のシーンの掘り下げについてはまだまだ修行が必要かと思います(汗) もっと国語の授業持とう

総合的に考えると、ただ書くだけならどうにかなるけど、よいものを書こうとすると途端に難易度が跳ね上がるような、深みにハマりそうな宿題でした。


さて、いかがでしたか?

教育課程が変わり早2年。今後もこう言った趣向を凝らした宿題の出題はあるかと思いますが、解決策をある程度提示できるように今後もこう言ったことは続けていこうと思っています。生徒の皆さん、他にもおもしろい宿題(長期休暇課題)があったらいつでも教えてくださいね。