【長期休暇恒例企画?】塾の先生が学校の宿題を本気でやってみた② ~主張作文編~

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さてなんだかんだと連日授業に追われていたらいつの間にかお盆の時期が近づいてまいりました。そんなお盆の時期に日本人はこの時期に必ず意識するモノがあると思います。

そう、78年前の8/15に終戦を迎えた太平洋戦争です。

この戦争で、日本人は300万人近い犠牲者を出し、日本中に行われた空襲や2度の原子爆弾の透過によって焦土と化しました。そして、そのような凄惨な歴史を二度と繰り返さないために、小中学校では平和教育という形で戦争体験者の話を聞いたり、戦争の被害などを伝える博物館に行くなどして『戦争の凄惨さ』を伝えています。

さて、今回は夏休み宿題企画の第2弾として、この平和教育をベースにしながら主張作文をやってみたいと思います。

民間教育機関勤めの津村が感じる平和教育の落とし穴とは?


語り部のいない未来 平和学習の今後

1945年8月15日は日本人にとって忘れられない日です。1941年12月8日より始まった太平洋戦争が、ポツダム宣言の受諾によって日本の無条件降伏が決定し、第2次世界大戦が終結した日です。この戦争で、兵士210万人と一般人80万人(当時植民地だった朝鮮半島・台湾人など含む)の尊い命が奪われ、戦中の日本社会は物資統制・言論統制など当時の軍部や政権の圧力で暗い世相が広まっていたと言われています。そして、そんな凄惨な戦争の経験から、現在の日本で広まっている戦争に対する考え方は、『絶対にやってはいけないもの』となっています。

そして、そんな凄惨な経験を幸福にもせずに済んでいる私たちに戦争の恐怖と平和のありがたみを伝えてくれているのが、実際に戦火を経験されたお爺さん・お婆さんから体験談を聞くなどする平和学習です。私たちは彼らの語る話や、戦争を題材とした話を知る事で、戦争の恐ろしさを知ることが出来ます。

しかし、この平和学習ですが、学習(というより指導)を進めれば進めるほど、私は「空襲や原爆の話ばかりで、戦地に向かう父や兄をバンザイと共に送り出した人のような戦争に賛成した人たちの話は聞かないよな。」と感じています。果たして、当時日本国民7000万人は本当に全員、戦争に賛成『させられて』いたのでしょうか?少なくとも『はだしのゲン』や『火垂るの墓』『この世界の片隅に』などの戦争の時代を書いた作品を見ていると本心から戦争に賛成して、協力的だった人は大勢いるように思います。

ただ、これについては仕方のない部分もあると思います。ほとんどの語り部は【幼少期・児童期に太平洋戦争を経験した民間人】という人が多く、その経験もほとんどが【物品統制による空腹】【学童疎開】【空襲】【原爆】となっています。 こういった立場の人は、戦争を行うまでのプロセスにはどうやっても関与できる立場にない(投票権すらない)という【どうしようもなかった人々】であるため、語り部の皆さんは【ただただ巻き込まれた被害者】となるわけです。そして、そのような人の話のみを聞いていると、戦争というのは【国家が誤った判断によって起こす】ものであり、その代償として【大きく自由が制限された末に命や生活基盤が奪われる】というイメージを形成しやすい傾向にあるように感じられます。

では、戦争をした日本の本当の姿は、どのような国だったのでしょうか?これを知るには、当時置かれていた多くの立場を学ぶ必要があると思います。私は次の3点から第2次世界大戦を見つめる事で、よりよい平和学習を行うことが出来るのではないかと考えています。

①1944~45年の戦争の体験(つらい戦争体験)

この内容は、現在行われている語り部教育や戦争の凄惨さを伝える作品群が果たしてくれていると思います。『戦争に巻き込まれるとこうなる』『だから戦争はいけないんだ』というのが最もストレートに伝わります。しかし、この論調のみであれば、先ほど述べたように【国家の誤った判断による悲劇で戦争に巻き込まれた自分は悪くない】という意見に収着しやすいです。

②1940~42年の戦争の体験(前向きな戦争体験)

これは、1940~42年の新聞や町の写真をまとめた書籍を見ることで授業が出来るように思います。この当時は物資統制のための法整備が進む一方で、戦地は中国大陸や太平洋の遠方の島であるなど、戦争における身の危険が他人事で済んでいた時代です。当時の人たちは社会に何の不安を抱き、国に対して何を求めていたのか?これを知ることで【戦争に参加することを認めた人たち】の目線を知ることが出来ます。

③戦勝国アメリカから見た太平洋戦争(勝者側の体験)

後は『勝者側の目線』というのも外せません。戦争によってたとえ勝利がもぎ取れたとしても、自身の領土が荒廃するなどしては戦争を行う意義はありません。そういった意味では、第2次世界大戦をほぼ無傷で乗り切ったアメリカがもし静かにくるっている様子があったのなら、「やはり戦争は良くない」という結論になるかと思われます。

残念なことに、ここから先の語り部教育は語り部の皆さんの高齢化により、亡くなられたり活動を続けられなくなってきています。しかし、世界ではロシアがウクライナに戦争を仕掛けたり、中国が台湾への侵攻を始めるのではないかと警戒したり、アメリカの映画配給会社が原爆を揶揄した画像にお気に入り登録をするなど、私たちが受けてきた平和教育の理念とは反する状況が世界各地で起こっています。ただ、先ほどの3つの視点からそれぞれの立場を学ぶことで、『世界中に広がる戦争がどうしてなくならないのか?』や『戦争を始めてしまう国は何を考えているのか?』などが見えてくるように思います。そしてそのような人たちに対するアプローチを考える機会とすることがこれからの平和学習に必要なものだと感じているのです。

このタイミングで、一度平和教育のために必要な視点を整理して、よりよい平和指導を考える時期が来たのではないか。世界のニュースなどを見ているとそう思えてくるのです。


さて、いかがでしたでしょうか。例によって原稿用紙の制限枚数を大きく超える事で転記を防がせていただいてます(笑)

季節はお盆へと差し掛かります。お盆は亡くなったご先祖様が現世へと戻ってくる期間です。この際に戦争で亡くなった方への哀悼の意を込めて平和という物を普段より深く考えてみてもいいかもしれません。

【長期休暇恒例企画?】塾の先生が学校の宿題を本気でやってみた① ~元素調べ編~

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、夏休みが始まり早10日ほどが経過しました。教室では連日のように中3が2コマ連続授業を続けており、音を上げそうになりながら頑張ってくれています。まあ、こんな声も講習後半になれば『2コマが普通に思えてきた』と言い始めるワケなんですが(笑)

さて、そんな夏休みですが、すべての学年にとって悩みの種なのが『学校からの宿題』です。今年もそれぞれの学年で『時間があるからこそできる』といった類の宿題がてんこ盛りです。

さて、そんな夏休みの宿題を津村がやったらどうなるのか?という事でこの夏休みに生徒たちの宿題をいくつかやってみようと思います。

(こいつ、長期休暇のたびにこんなんしてるなと思ったあなた。正解です! 過去、こんなことをやっていたり……)

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉


 

さて、今回は泉川中2年生で出題されたコチラ!

自分の出席番号の元素記号を調べよう!

出席番号によって結構な格差が出そうなこの課題。

出席番号1番(水素:H)や6番(炭素:C)・8番(酸素:O)なんかはすごく書きやすいけど、4番(ベリリウム:Be)・21番(スカンジウム:Sc)・33番(ヒ素:As)あたりの人はなんか気の毒になってくると言いますか……汗

さて、テーマですが例によってこのサイトを見た子が『ラッキー』と言いながら写してしまって、学校の先生のジャマをするのは僕の意図するところではないので、出席番号にならないであろう番号の元素を調べてみたいと思います。

ということで、テーマはこちら!

原子番号43番 幻の元素、テクネチウムです!


 

①基本情報

テクネチウム 原子番号 43 7族(マンガン族)

原子量(原子の重さ) 98(など) 融点 2157℃ 沸点 4265℃ 密度 11.50g/cm3

 

②幻と言われた理由

原子番号の前後の元素の発見は42番のモリブデンが1778年・44番のルテニウムが大航海時代のアメリカ大陸で利用されていた(分類が明確化したのは19世紀初頭)のに対して、テクネチウムの発見は20世紀になってからもしばらく発見されず、なぜか天然に存在しない元素として100年以上科学者たちが発見に向けた努力を重ねた事から、いつしか『幻の元素』と呼ばれるようになっていました。

その後、どれだけ探しても見つからない事から、イオン化した原子を加速して原子にぶつける装置『サイクロトロン』が発明された1936年に原子番号42番のモリブデンに重水素(とても雑に説明すると少し重めの水素)をぶつけることで人工的に作成。結果として世界初の人工元素として誕生することになりました。

そうして、ギリシャ語の「人工」であるテクニトスという言葉より名を拝借して、『テクネチウム』と命名さえれることになりました。

なお、この時作成と発見に関わったローレンス博士とセグレ博士は、この後、(他の功績も含めて)ノーベル物理学賞を受賞しています。

 

【写真】ローレンス博士とセグレ博士(Wikipediaより拝借)

その後、この元素はウランの核分裂後に稀に発見されることや宇宙の彼方にある赤色巨星(太陽のような恒星が水素を使い果たした後になるより大きな恒星)の中に存在することが観測され、一応天然からも採取できることは説明されました。

 

③何に使われている?

さて、この人工的に作成されたテクネチウムは他の人工元素シリーズと同じく放射能を備えています。しかし、放射性物質としては結構特殊な立ち位置(細かいことは大学以上レベルなので解説はキツイです汗)にいるため、

(1)物理学的半減期が6.02時間と短い。(3日もすれば0.025%まで減少する)

(2)γ線のみを放出する。

(3)放出γ線のエネルギーが141keVであるため、精度よく測定でき、被検者の被ばく線量が少ない。

(4)安く作れる。

という、放射性物質としてはかなり安全&リーズナブルな代物なので、各地の医療機関で核医学検査界隈では頻繁に使われています。(冒頭の写真はこの医療用のテクネチウムのイメージ写真です)

その有用性は、2011年の原発事故以降でたびたび話題に上がる『原子力委員会』でも、2022年に『自分で作れた方がいいんじゃない?』と提言書をまとめるほどです。(なお、現在はほとんどが輸入に頼っている状態だそうです)

 

④まとめ

・本来、中学校理科では『原子は化学変化によって新たに変化することが出来ない』とされているが、核融合・核分裂という科学の域を飛び出した離れ業を用いれば元素は作り出せることが分かった。知ってたけど。

・危ないイメージがある放射性物質も特性を理解して使用すれば体内に取り入れる事で検査に仕えるという側面があることが分かった。他にもこのように放射性物質がどのように役に立ってるのか調べてみたい。

 


 

さて、いかがでしたか?

今夏はこのような感じでいくつかの宿題に取り組んでみたいと思っています。

せっかくなので、生徒の皆さんはリクエスト等は受け付けております。

次回もお楽しみに♪

驚愕の平均点!?

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、加茂駅前校の近隣中学校は軒並みテスト返却タイムとなっています。まずは当教室の子供たちのテスト結果から

RESULT

中1

理科:82点

中2

数学:89点 英語:89点 社会:87点

理科:85点   社会:83点   社会:82点

中3

国語:87点   

英語:84点   数学:81点   英語:80点

 


さて、そんな悲喜こもごもなテスト結果ですが、泉川中学校1年生が初めての定期テストにもかかわらず、平均点が軒並み40~50点台だったと聞いており、かなり大変になっていると聞いています。

確かに、一部教科ははじめのテストにしてはかなり難しかったものもありますが、実際に通塾してくれている子どもたちや、テスト対策に参加してくれていた1年生の子たちからは『めっちゃゲームの誘いのライン来てる(汗)』といったような『その友達、本当にテスト勉強してる?』と聞いているこちらが心配になるような話も散見されていました。

恐らく多くの1年生が『テスト勉強って何をすればいいのだろう?』とよく分からないままテストが来てしまったのではないかと思われます。

ですので、今回はテストに向けての心構えについてまとめてみましたので、是非参考にしてみてください。


心構え1

『分かる』と『出来る』は違う!

中学校の勉強は(当然ですが)小学校より難しいです。ですので、小学校では聞いてマネするとすぐに正解できるような問題が大半を占めています。しかし、中学校は「計算ミスを少なくするために整理をする必要がある」「文法問題で×にならないために単語暗記を自力でこなさなければならない」「覚えた名称と対応する図・表・地図・グラフを判断しなければならない」など、授業を聞いた時の『分かった!』が素直に『出来る』に直結してくれなくなっています。

なので、テスト勉強の際にも『ワークや教科書の解説が分かるから楽勝!』とはならないという事を頭の片隅に置いて練習をしなければなりません。その『出来る』まで持っていくための準備期間として、テスト期間があるのです。

心構え2

数学と英語は時間を決めてやる!

さて、そんな中でも特に毎日練習をしておくことを勧めたい科目が数学と英語です。

この2教科は(暗記事項も重要ですが)何よりも『論理的な思考を元にしてルールを理解する』という事がかなり重要な教科になっています。こういった学問は何よりも使い続ける事が一番の練習となります。

ですので、毎週のスケジュールの中で必ず英語と数学の時間は確保をしておく必要があります。

心構え3

ワークは最低1週間前には終わらせる!

テストの問題は学校で配布されるワークやプリントを参考に作成されることが多くありますが、多くの子供たちは時間のあるテスト期間にこのワークを完成させようとあくせく頑張っているような印象があります。

ですが、先ほども言った通り、この期間内にできてほしいのは『解く』事ではなく『出来る』ようになる事です。ですので、ワークを解ききったことで満足するのではなく、解けなかった問題を確認して解きなおすことが重要となります。当然、何が解けないのかを理解する必要があるのでワークは1週間前に終わらせておくことが理想です。


え?それが出来れば苦労はしない?

確かにこれを1人で部活や友人付き合いと並行して行うのはなかなか大変です。

ですが、これを1人でやっていく必要はありません。いざという時は大人の力も借りながら少しずつこのサイクルに慣れていきましょう。

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1人での勉強に不安を感じたら、ぜひ夏期講習をご受講ください。

受験生量産計画(ポスティング)

泉川中テスト対策攻略講座!

こんにちは加茂駅前校の津村です。

さて、長ーい1学期を過ごし、いよいよ明日から定期テストがはじまります。特に、泉川中をはじめとした木津川市の多くの学校は1学期中間試験を実施しないという事が多かったため、教科によってはテスト範囲が膨大になっています(汗)

ということで先日、土日を使って定期テスト対策攻略講座を実施しました。

その時の様子をご覧ください。

まずは演習授業編! 全員黙々と解いています。

席の配置は学年がバラバラ。どうもその方が集中できているようです。

後半は学校ワークの完成と各自の苦手教科を勉強です。この時は多少の席移動を許可して、問題の出し合いなどで勉強する子もいました。

今回は全学年をお昼の時間に実施しましたが、土曜日は相応な数の学校説明会が実施されたため、学校説明会に参加した3年生は夜からの演習となりました。

2日目は日曜日。この日は一部部活の大会で参加できない生徒もいましたが、学校説明会による欠席がなく全員みっちりな状態でした。

1点でも良い点になる事を願ってます。ファイト!

理不尽な採点? ②

こんいちは、加茂駅前校の津村です。

今回は前回の続きからです。(↓前回の内容はコチラ!)

https://wp.me/pcRRya-1N1

前回、とある高校生が『納得できない』としていた問題。本人の思考をコメント付きで考えるとこういうことになります。

確かに、絶対値というのは+,-がその値である事を示すものなので、|ⅹ|=3であればx=±3 になりますし、|ⅹ|≦3とであれば -3≦x≦3 となります。

そのあとの式の整理も数直線上に図示した整理もミスはなく実際の答え(模範解答)を見ても答えはx=-1/5 となります。

さらに言えば、この回答を他の高校の数学の先生に見せた場合、『ウチなら〇にしてた』という反応を返されても不思議ではありません。

 

では、何がまずかったのでしょうか?

それは絶対値の側より大きくなるはずの3x+2が『本当に正の値なのかどうか』が説明されていないことにあります。

要は、|ⅹ|=-5 なんてものはあり得ないですし、|ⅹ|≦-5 なんて値も取りようがありません。

つまり絶対値より大きな値を取るはずの3x+2が負の値になるというのは矛盾が生じるので、そういった値は排除しなければならないのです。

では、この矛盾点を出さないように3x+2>0という式を導入して解いたものがコチラになります。

はい、先ほども述べた通り、答えは結局x=-1/5 となります。

『じゃあ、結局意味がない事の説明を求められてるなら理不尽な採点じゃないの?』となるかもしれません。しかし、この子が通う学校は合格実績の中に旧帝大レベルの学校が出るほどの進学校となっています。特に京都大学レベルにまでなってくると、『解答の最後の一押しが公式・定理の理屈に合うのかどうかを考えさせる』といった、難解なひっかけ問答も存在しているのもまた事実です。とはいえ、志望校によって学校内の生徒の〇×を変えるわけにはいかないので、この採点は『適正な判断による採点である』と言えるわけです。

↑そのうえでコメントからも×にするのは心苦しいといった様子が見て取れます。うん、気持ち分かるよ!

このように、いろいろな採点に関しては各先生の思惑や価値観があり、完全に統一するのは難しいものです。その価値観の違いを比べる事で『何をしてほしいのか』を考えると、学校内の事情など思いがけない発見があるかもしれません。

みなさんも謎な採点があった場合、ぜひいろいろと考えてみてください。

 


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理不尽な採点? ①

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、塾に限らず『先生』を仕事にしている人たちについてたびたび議論になる『採点』についてのお話です。


SNSが盛んになってからというものの、小学校(特に低学年が多いです)の保護者とみられるアカウントから理不尽な理由で×をつけられていることに(親子とも)納得がいかず、軽い炎上状態になることが散見されるようになりました。

こういった炎上でよく見られるパターンとしては『まだ習っていない漢字を使っている』『足し算やかけ算の順番が違う』といった素人目から見たら『別にいいじゃん!』と思うような事に揚げ足を取っているように見える事が多いのかとは思います。

ただ、これに関して僕自身は『勉強において気を付けてほしいポイントや立場によって変わる』という側面が大きく、それによって『守るべき』だったり『守る必要がない』と判断できると考えています。

勉強において気を付けてほしいポイントについての例を挙げると、小学校では『漢字の書き順』については低学年ほど口を酸っぱく言われますが、高校生ともなれば漢検の受験でもしない限りはあまり触れられる内容ではありません。

これは書き順は『筆で書いた字が墨でにじんだり、筆の上げ下げの関係でつながった時に、どっちから書いたかで見分けられるようにするため【図1】。』という歴史と特性から、『まだ字を書きなれていない小学校低学年は書き順を守っていれば〇をもらえる可能性が上がる』というメリットがあるります。


【図1】左と右の行書体(officeにて出力)
書き順を守ると『左』の横棒が上の斜め払いに流れているので、下の『エ』の部分がつぶれても読めるという事です。こういった見分け方は古文や考古学の研究に応用されているとか。

そうなれば小学校1・2年生などは特に『書き順は守るのが無難』という結論に落ち着くわけです。こういった場合は『守るべきルール』としては妥当であるため、採点としては『間違い』とした方がいいと言えます。

次に、立場によって気を付ける例としては、小学校の先生が4年生に『直方体の体積の計算』を教える時に【たて×横×高さ】で教えたのちに、3年生の時に学習した『九九の計算の順番は入れ替えても結果が変わらない』という事を忘れている子供たちの混乱を防ぐために【たて×横×高さ】の順で記載をする【図2】。といった配慮なども含まれます。



【図2】小学校の板書(ネットからの拾い物)

算数が得意な子や塾に通う子は内心『5×4先にやった方が楽やん』と思うかと思いますが、これも算数が苦手な子に対する先生の配慮の結果だったりします。

こちらについては、苦手な子についてはルールを守れば出来るわけですが、単元によっては『計算の工夫』を求める以上、そういった発想は今後の学習でより難しい問題を考える上で重要なスキルです。よって教える側の先生は『守るべきルール』であり、教わる側の小学生は『守らなくてもよいルール』となります。


では、これを踏まえて次の例を考えてみましょう。

これは実際に高偏差帯の某高校3年生の数学(入試演習授業)のテストの採点です。

【お礼】掲載許可くれた子。本当にありがとう!

8点問題のうち最初の方でのミスで-6点。内容としては高校1年生の1次不等式を少し発展させたもので、最終的な答えは”x>-1/5”というのも正解しています。

※ちなみにこの子、この問題が〇だったら100点満点だったという大変素晴らしい結果を出しています。だからこそ悔しいし納得できなかったようです(汗)

一見、何も問題ないように見えます(恐らくは僕もこの解き方をしてしまいます)が、よくよく×の理由を考えると、盲点となりやすい点が隠れています。

特に旧帝大国公立・高偏差帯私立大を受験したい高校2・3年生は1度考えてみてください。

続きはまた来週!


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②リーフレット - 加茂Ver

今回は期間も長く困っているお子様も多いと思いますので、今回だけの大判振舞い!

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真・天下一授業会

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

皆様、GW明けはいかがお過ごしでしたでしょうか?

加茂駅前校では一部中高生を除くと中間試験が実施されない関係上、5月も引き続きのんびりとした雰囲気で時が流れております。こんなに平和でいいのか?

そんな中、毎年GW前半に私たち立誠学院グループは『真・天下一授業会』を開催しています。

 

出場者は集団部各校舎にて教鞭をふるう猛者だらけ。

そんな大会に個別部門で唯一、

津村が参戦することになりました。

(作成サイト:https://smashbros-gen.netlify.app/ )

本日はそんな天下一授業会の様子をお伝えしたいと思います。

果たして津村は個別唯一の参加枠として爪痕を残すことが出来るのか?

 

①教科決め&練習

さて、参加するのはいいものの、『教科はどうするのか?』『単元はどこが良いのか?』など決めなくてはならないものがそれなりにあります。まずは、今回の試合のレギュレーションはコチラ!


1回選

制限時間:10分 教科指定なし

「わかりやすさ」「プロフェッショナル」「パフォーマンス」「魅力」

を各10点満点で採点(一部加点・原点要素あり)

経歴によってハンデポイントあり

2回戦

クジ引き 1回戦の順位によりくじの枚数が変動 3名が決勝へ

決勝

制限時間:8分 1回戦の教科は使用不可

いちばん好きな授業を投票で決定!

その他

服装自由


という事で、得意な教科をメインに据えながら立ち回ることにしました。そして選んだ教科と単元は

1回戦:理科 3つ以上の抵抗の計算

決勝戦(行けたら):数学 式による説明(3年Ver.)

の2つに決定しました。

単元が決まれば後は練習あるのみ!

夜中に講師の先生方に授業を見てもらいながら練習を重ねます。

 

②1回戦

そうして加茂駅前校でコソコソと準備を行いながら迎えた大会当日。

会場は椥辻北校です。

今回、個別指導歴はそれなりにありはするものの、クラス城陽校で集団授業を担当し始めてまだ2か月というド新人状態。カテゴライズ的には「プロフェッショナル」については得点はそこまで見込めないと踏んで、『わかりやすさ』『魅力』でどこまで勝負ができるかにかかっているという判断を下していました。

そこで、当日の『魅力UP』のために選んだ服装がコチラ!

溢れ出す知性をアピールできる『素数Tシャツ』です!

そこ!変なヤツって言わない!

さあ、あふれ出る知性を感じる衣装(?)でまずは試合の順番決めです。

クジ引きの結果、順番は4回戦後半。対戦相手は古賀先生です。

(ちなみにネームタグのカラーは 赤:立誠最古参 青:ベテラン 黄色:中堅 緑:若手 ピンク:初参加 です。このカラーランクが後ろになるほど、ハンデポイントをもらえます。)

序盤から、現在進行中のウクライナ戦争に触れながら授業をする先生、自身のキャラクターを前面に押し出しながら解説を行う先生、中学受験理科のような深い知識を持って授業を行う先生と、周辺は強敵ばかり(汗)

そんな中、いよいよ出番の第4試合がやってきました。

対戦相手の古賀先生は高校数学Ⅰの『式の計算』で勝負をしかけてきました。状況的にもまだ中学生のノリが残る高校1年生(4月)たちに、解き方のコツを丁寧に伝えながらの授業。かなりうまい授業でした。

難なく授業をこなし、ついに僕の手番がやってきました。

開始前にある程度の板書が許されていたので、まずは授業予定の4パターンの回路の板書を行います。

さて、この3つ以上の抵抗の計算ですが、①,②はなんとなく『直列回路・並列回路の公式を伸ばすだけでいいかな?』という形で想像ができるかと思います。

では③,④のように直列と並列を混ぜた問題はどうすればいいでしょう?

このタイプの問題自体は、定期試験でたまに見かける問題ではありますが、正直に言えば『100点阻止のイジワル問題』という側面が強い難問です。それを10分間で解説しきるという条件なので、準備中にも

『え、ムズいやろ。』『大丈夫なん?』という感じの、集団指導部の皆様のザワザワを聞きながら準備をしていました。

 

そして、準備も出来たので予選用の授業開始です。

公式の確認をして~

①は直列やから足し算して~

②は並列やから逆数の足し算にして~

『もうどれだけ数が増えてもこの公式を伸ばすだけやから楽勝だよね~……』

『ってナニコレ⁉(迫真)』というか自分で書いたやん(笑)

と、全体を大きく惹きつけたところで解説を続行します(笑)

では、先ほどの答え合わせですが、このように直列、並列が混ざった抵抗は下の図の赤で囲ったところのように1つの大きな抵抗としてみることが出来ます。(この考え方を『合成抵抗』といいます)

ということで、③は赤の部分の直列の抵抗を出した後に並列の公式に入れて計算。④は赤の部分を並列の抵抗として扱って1つの抵抗を出した後に直列の公式に入れて解説を終了。

やれることはすべてやりきれたと思います。

 

という事で、得点を集計して結果発表です。

どうやらお互いが周囲の予想以上に目を見張る授業を行ったため、前代未聞の両者800点超えのハイレベルな戦いだったようです。

そんな中で、どうにか数十点の僅差で競り勝ち、津村はどうにか2回戦への進出を果たすことになりました。

『古賀先生、楽しいデュエルだったぜ!』


そして、試合終了後も2点差の熱いバトルが繰り広げられたり、ゴリゴリの国公立中学受験対策の国語の授業が行われたりとハイレベルな授業が展開され続け、最終的に2回戦へと進んだ先生方がコチラ!

ド新人(津村)から社長までが揃う非常に熱い1回戦となりました。

 

③2回戦

さて、2回戦は1回戦の得点が高い順にクジを多く割り当てた抽選です。

得点の順位はコチラ!

1回戦は集団部の皆さんの予想以上の授業を行って、ハンデポイントを含めた不意打ちを成功させた津村がトップ通過(838点)です(^^♪

1位通過は63枚のクジの中に20枚というかなり多めの枚数は入れられていますが、それでも30%程度は決勝に進めない可能性はあります。

といった心配はしていましたが、特に問題もなく決勝に勝ち進みました。

決勝戦は、栗本レオ先生・津村・佐々木先生の3人となりました。

ちなみにこの3人は全員クラス城陽校勤務だったりします。すごい偶然。

 

④決勝戦

さて、そんな決勝戦ですが、いきなり衝撃のオーダーが飛んできました。

社長『あ、予選の時間が押しててこの後の飲み会の予約時間がヤバいから1人5分な。』

決勝進出の3人『えっ(困惑)』

これにはかなり参りました。そう、僕は決勝用に用意したネタは『式による説明』という内容が濃い~ものです。正直8分でギリギリな量でもあります……汗

とはいうものの準備しているものを変える事もできないので、無理矢理授業スタート。話したいことが話せたかというと微妙ではありますがベストは尽くしました。

 

さて、という事で結果発表の時間。最後については『一番良かった授業』にという評するシステムです。

優勝は

栗本レオ先生

 

授業構成が唯一8分構成から短くできる(多角形の外角)単元セレクトだったことが功を奏していたように感じます。

ちなみに津村は初参加で予選1位通過を成し遂げたことで、新人賞をもらうことが出来ました。

 

⑤そのあと

終了後はそれぞれの健闘っぷりに対しての激励が飛び交う飲み会でした。

普段より集団指導でブイブイ言わせている先生からも、『すごかった』とのコメントをたくさんもらうことが出来、とても良いGW前半となりました。

(新人賞のスリッパ&ジュエル座布団。ちなみにこの写真、後ろの『自慢』がいい味出していると好評です笑)

とはいえ、今回はハンデポイントがかなり有利に立ち回った結果でもあるため、まだまだ授業には改良の余地アリです。

ということで、1回戦(理科)の皆さんの感想をいくつか紹介します


①一番辛口なコメント

要約:合成抵抗よりもVやAを使う方が楽なことが多くない?

はい、その通りです(笑)

でもそれを入れると25分くらいの授業になりそうだったので割愛しました。まあ、実際の授業では『最短経路で求める練習』の授業を行うことになるんだろうなぁ。

②一番甘口なコメント

要約:構成が段階的で計算方法まで解説してくれたので、初心者として最高に復習出来ました。

かなりハードな内容を『これならできそう!』と思ってもらう事が1つの目標だったのでうれしいコメントでした。

③一番うれしかったコメント

要約:ホンマにこの前クラス指導持ちたてなん?良かったです。

ありがとうございます!

まあ、加茂では定期試験前後で簡単ながら授業はしてましたので(笑)

④Tシャツについてのコメント

計画通り!

⑤優勝者 レオ先生のコメント

要約:緊張してた?「え~っと」って言うの多かったけど。汗

あ、それ口癖です(汗) ちなみに緊張はそこまでしていませんでした(笑)

ですが、場合によっては子供たちを不安にさせる良くない口癖ではあるので、これは要矯正ですね(汗)

⑥我らが山田先生のコメント

ハンデポイントおいしかったです(笑) そして安定のツムツム呼びは固定のようです(笑)

次はハンデが大幅に減っていると思うので引き続きスキルアップ頑張ります!


平均ポイント(10点満点)

わかりやすさ:6.36点

プロフェッショナル:5.55点

パフォーマンス:5.86点

魅力:6.59点


最後に個人的な感想ですが、僕に限らず出場したすべての社員が夜遅くまで練習したりとゴリゴリに努力を重ねていました。そんな刺激多岐な授業がと努力のぶつかり合いの中で一定の結果を残せたことは非常に自信がつく結果となりました。

来年は、容赦なく他の社員さんとも戦う事となると思いますので、個別という空間ではありますが、引き続き子供たちに落とし込みやすい授業を日々心掛けていこうと思います。

 

おまけ

教室にて『ドヤッ!』と掲示される新人賞の賞状

 

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子供たちの幸せな気持ち

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

新年度、例年よりも早咲きだった加茂駅周辺の桜はすでに葉桜となっております。本年度も加茂・和束・笠置エリアの子供たちと共に頑張って参ります。

さて、春期講習期間中、授業と新規面談と骨折の痛みでバタバタしている中で、こんなニュースを見かけました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9b75822b2f9c5423b0b7348285799076fa1ea823

内閣府が4/1に発足した「こども家庭庁」の創設に関わった内容として、「子ども・若者の意識と生活に関する調査」を行ったところ、10代前半(主に中学生が該当)の94.2%が「今の自分が幸せだと思う」と答えるなど、若い世代の幸福感や自己肯定感が高いことが分かったとのニュースです。

実際の記事内でのコメントでは、

『そう思えるってことはいい事!』

『学校の先生もかなり柔軟になったしね』

といった肯定的なものも一定はありましたが

『まだ社会の厳しさを知らないだけ。』

『だったら何故昨年の若者の自殺者数が過去最悪だったのか?』

という否定的な声も見られました。

では、実際に多くの10代前半の子供たちと触れ合っている僕はどう感じるかというと、『そりゃそうだろうなぁ』と感じることは多くあります。

少なくとも、この20年間で子供たちの自己肯定感が上がり、ストレスが低減するような事として思い当たるのが、

【家庭】

・親世代が、より『子供の考えを尊重する』ような傾向が強くなった。

・家にいながら学校のコミュニティに気軽に触れることが出来るようになった。

【学校】

・発達障害などの知見が向上し、画一的な指導から個性を認める指導へと変化していった。

・不登校などの状況にも柔軟に対応することが増えた。

【社会】

・『ハラスメント』という言葉の定着によって、社会全体のモラルが向上している。

・流行りのゲームや漫画など、子供たちの間でのみ話されていたような趣味が、大人にも共有されるようになった(というより様々なサブカルチャーに慣れ親しんだ世代が大人になったと考えるべきかもしれませんね)。

と多くの面で子供たちの自尊心を守る環境が整っているように感じます。

ただ、その一方で子供たちとコミュニケーションをとっていると、

『中学生になってしまった。勉強が難しくなるのは嫌だ。』

『高校に入学したけど、もうこのタイミングで中学校が恋しい。

というように、現状(もしくは過去)が『幸せ』だからこそ、人生のステップを上る事を怖がっているという側面も見えて来ます。

 

子供たちにとって、大人とは『不幸』なものなのでしょうか?

『大丈夫。大人になるって悪いものでもないよ。』

そんな風に言えるオトナになれるよう子供たちと接していこうと思う今日この頃だったりします。

今年度の入試を終えて ~昨年度との比較~

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、本日は卒業式。加茂駅前校周辺の中学校も本日に式を執り行っていました。本来であれば卒業式時に校門前で出待ちなんかをしたいと思ったりしていますが、マスク推奨の解除となった現在もマスクをつけながら卒業式をしている様子から、自重をする津村でした。来年こそは……

さて、本日は前回に引き続き、今年の入試の総括としまして、『公立高校入試の総括』を行います! 昨年は理社の難化が見られましたが、果たして今年はどうだったのでしょうか?


国語(主観:やや易化)

前期に続き、読みやすい問題が多かった印象。実際に泉川中学校では2年生が国語の時間に内容に触れるなどをしていたようで、問題自体がそこまで難易度が高くなかったことを示す所作なのかもと感じられる。傾向自体も大きく変わることはなかったため、赤本での練習量で出来が変わるように思います。

社会(主観:やや難化)

こちらも例年通り地歴公民混合問題ががっつりと出題された。例年に比べて単元横断が節操なく飛び回り、かなり荒ぶっていたような感覚。ただし、その状況に順応さえすれば、問題自体は語句問題から地図・グラフ・資料読み取りといつものパターンであるともいえる。

PICK UP

大問4(3)※要約

次の文章はサウジアラビアから日本まで石油を運ぶルートの説明である。このルートにあたるラインを地図上に書き記せ。

【地図】

  

【文章】

アラビア半島に位置するサウジアラビアを出港し、ペルシャ湾を出た後、マレー半島の南端を回って北上し、さらに台湾とフィリピンを隔てる海峡を通って日本に入港する。
津村のコメント

実際の石油の輸送に使われている航路を答える問題であり、大まかに世界の国の位置や地名をしっかりと把握する必要のある問題。

ちなみにこの内容は『地政学』という外交や国家間の戦争について考える上で非常に重要な学問の基礎部分となっています。

【答え】

こうやって見ると、台湾有事は日本に中国軍が来なくても大きな影響があることが分かりますね(汗)

数学(主観:難化)

比較的簡単だった去年に比べて、それなりに思考力も求められるような、歯ごたえのある問題がそろった印象。ただし、状況の理解や規則性の発見などが難解な問題はあまり多くないので、落ち着いて状況を整理できるかが一番の鍵となっている。激ムズ化しなくてよかった~

PICK UP

中期 大問3(2)※要約

袋X・Yからカードを取り出し、数字の大きい方が勝ちというゲームを行う。袋Xに4のカードを、袋Yには2・5・7・8・10・13のカードを入れて袋X・Yの勝率を同じにするには袋Yにはどのカードを入れるべきか。考えられるものを全て選べ。

津村のコメント

確率の難しい問題は『状況を読み取りづらい』事が原因だったりする事が多いですが、この問題は『確率を1/2になるようにしなさい』という、答えがいくつもあるような、別の方向で面倒な問題。

お互いのカードは4枚ずつとなるので、4×4の表や樹形図を記入して8/16となるように調整を行えば問題は解ける。

 
1 4 9 12
3 Y X X X
6 Y Y X X
11 Y Y Y X
Y Y  X  X

このように『4には勝てて9には負ける』カードをYに入れればよい。

【答え】

5・7・8

理科(主観:難化)

確実にここ2年間で計算・思考問題を増やしてきており、恐らく受験生が一番戸惑ったであろう教科。ただ言葉を覚えるだけ・実験の内容を理解しているだけという時代は完全に終わりを迎え、ここからは一定の思考力を求められる問題が出ることが予想されます。(正直、ウチでも何か別途で対策を考えようというレベルだったり……)

PICK UP

中期 大問8 ※要約

Aさん:この荷物、重たすぎます。床に摩擦がなかったら楽に運べるのに!

先生:まあ、その通りではあるが、その場合は人と床の間も摩擦が無くなるぞ。

Aさん:あ、そっかぁ。荷物にも人にも床との摩擦がない場合、どんなことが起こるんですかねぇ。

先生:じゃあ、こんな図の状況を考えてみるぞ。



先生:摩擦のない床の上で、自分より重い荷物を床と平行に押すときに、床に垂直・平行な向きにかかっている力に分解して考えて、人と荷物がどう動くか考えるぞ。

(後略 問題はすべて会話分の穴埋め)
津村のコメント

京都の問題は、実際の実験にのっとったものが多いのですが、この問題はまさかの『思考実験』という実際に起こっていない事・起こりえない事を想像しながら解いていく問題になっています。公式などにあまり触れていない中学生が思考実験について考えるには、似たような事例をうまく想像できるかどうかが重要です。今回のケースですと、『よく滑る台車とローラースケートを履いた人が実験を行う』といったケースや『スケートリンクで実験を行った』といった状況が近いと言えるでしょう。

英語(主観:やや易化)

点数配分は昨年と全く変わらずだが、長文問題が例年より短く、とっつきやすくなったような感覚。問題内容としても、文法から内容理解・内容理解を踏まえた上での読み取りや会話文など、本当におなじみの構成。こちらも国語同様に赤本での練習量が大事だったように感じる。


さて、いかがでしたでしょうか?

個人的には年々難しくなる理科に戦々恐々する子が新中3生にも多いんじゃないかなぁと想像してしまったりしています。

とは言え、どんな状態でもしっかりと問題に向き合える状態にしてあげる事が塾としての務めです。改めて兜の緒をが締まるような気持ちになる問題分析でした。

前期試験を終えて

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、加茂駅前校では2/6から奈良の私立が、10日には京都私立・16日に前期試験と受験生たちが続々と試験を受けてきました。

まずは、毎年恒例の合格校の発表から!

RESULT(私立編)

奈良育英高校

高大連携Sコース:1名

国際理解Gコース:1名

総合進学コース:1名

奈良文化高校

看護学科:1名

大谷高校

インテグラル:1名

京都橘高校

総合類型:2名

京都廣学館高校

アドバンスコース:2名

ジェネラルコース:7名


ひとまず、無事に全員高校生になることが出来るようでホッとしています。

(まあ、高校浪人なんてほとんどないのですが 笑)

しかし、ほとんどの生徒の本命は公立入試。引き続きバリバリと指導を行っていきます!

 

さて、そんな入試期に個人的に楽しみにしているのが問題傾向の分析。なんやかんやで7~8年くらい公立の問題をいろいろと見続けているので、『今年はどんなん出たかな~』と(受けてきた生徒の疲労感とは裏腹に)楽しみにしながら問題を見ています。例年に倣って、今年の問題がどんな感じだったのかを津村目線で分析したものを載せさせていただきます。


国語:昨年比の難易度

やや易化

人文学系統の現代文2題と古文1題といういつもの構図ですが、古文が読みやすいなどの理由から昨年に比べて簡単だったように感じます。

また、問題自体は知識系が16/50点と3割を占めるいつもの構図ですが、特にこの辺が簡単だったので、そこでどれだけミスがないか・それ以外でどこまで点を稼げたかがポイントとなってきます。

津村Pick Up問題

大問1.(2)

本文中の一律浮き彫りにするの意味として適当なものを、次の選択肢の(ア)~(エ)・(カ)~(ケ)の中から選びなさい。

一律

(ア)例外なく全て同じ (イ)はっきりしていて確か

(ウ)深みがなくて単純 (エ)秩序だって厳格

浮き彫りにする

(カ)新たにする    (キ)目立たせる

(ク)華やかにする   (ケ)ゆがませる

意外と今までの問題では多くなかった印象の問題が、このような普段使う言葉を説明させる問題。急に出てくると結構ヒヤッとするものです(笑) 普段、自分だけでなく大人やニュースキャスターなどがどうやってこの言葉を使っているのかというのがこの問題を解くときの大きなヒントとなると思います。

答え:(ア)・(キ)


数学:昨年比の難易度 やや難

まあ、去年がけっこう簡単だった印象がありますので(笑)

問題配置はいつものように1.小問・2.統計・3.空間図形・4.関数・5.平面図形・6.規則性と大きな変化はありませんでした。(まあ、2.の統計が資料の整理と活用なのは若干のレアポイントだったりしますが…… たぶん中期は確率が大問にあると思います)

クセの強い問題はあまり見られませんでしたが、正確な数学語句の把握・空間把握能力などをバランスよく見るテストだったと思います。

個人的にはここ数年で一番好きな難易度感かもしれない……(ぇ

津村Pick Up問題

大問4

以下の図のように関数y=a/xのグラフ上に3点A,B,Cがあり、点Aの座標は(2,6)、点B,Cのx座標はそれぞれ4と-4である。また、2点A,Bを通る直線とy軸との交点をDとする。

(1)aの値と△BDCの面積を求めよ。

(2)点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をEとする。また、直線BE上に点Fとり、四角形COFEの面積が△BDCの面積の2/5倍になるようにする。点Fのx座標を求めよ。

後半の難易度は高いですが、その気になれば2年生でも解けてしまう問題です。座標平面上であっても図形の時に習った定理が使えるかどうかが非常に重要となっています。解説は分けておきますのでぜひ自信のある中学2年生の皆さんは解いてみてください。

答え:(1)a=12,△BDC=36 (2)8/5

解説はコチラ

津村Pick Up問題 大問4 解説編

英語:昨年比の難易度 平年並み

リスニングの配点から英作文の配点まで全く普段通りで、長文自体のレベルも大きく難しくはないというのが実際の印象です。例によって長文問題をどれだけ効率よく読めているのかが大きなポイントと言えると思います。

津村Pick Up問題

大問3(7)

本文中の内容(略)に合うように次の質問に指定語数で英語で答えよ

(a) Do Ryo’s uncle and Ken work as a guide on the tour in all seasons?     :3語

(b) What were the corals like to Ryo when he finished transplanting them?:4語

本文内容は、親せきの家に遊びに行った良(Ryo)が、サンゴの綺麗だった海岸からサンゴが死滅している事にショックを受け、その原因と対策を講じるグループの見学を通して学んだことを発表したスピーチ文でした。こういった問題はしっかりと文章を読まなければいけないのですが、答え方を知っていることで探し出す時間を短縮することが出来ます。例えば(a)であればDo ~ ?と言われているのでYes,I do.かNo,I don’t.の2択しかありませんので、該当箇所を見つけて〇×の判断でOKです。一方の(b)は「~のようだ」と言ってますか?といった具合の質問なので、文中から”like”の単語を探せばすぐに見つかる事でしょう。

答え:(a) No,they Don’t. (b)They were like stars.


さて、いかがでしたか?

前期の結果は水曜日に発表となっています。うまく行かなかった子は「どこで点数を取るか?」を再確認するラストチャンスとも言えます。しっかりと対策の上で中期試験に臨んでください。