泉川中テスト対策攻略講座!

こんにちは加茂駅前校の津村です。

さて、長ーい1学期を過ごし、いよいよ明日から定期テストがはじまります。特に、泉川中をはじめとした木津川市の多くの学校は1学期中間試験を実施しないという事が多かったため、教科によってはテスト範囲が膨大になっています(汗)

ということで先日、土日を使って定期テスト対策攻略講座を実施しました。

その時の様子をご覧ください。

まずは演習授業編! 全員黙々と解いています。

席の配置は学年がバラバラ。どうもその方が集中できているようです。

後半は学校ワークの完成と各自の苦手教科を勉強です。この時は多少の席移動を許可して、問題の出し合いなどで勉強する子もいました。

今回は全学年をお昼の時間に実施しましたが、土曜日は相応な数の学校説明会が実施されたため、学校説明会に参加した3年生は夜からの演習となりました。

2日目は日曜日。この日は一部部活の大会で参加できない生徒もいましたが、学校説明会による欠席がなく全員みっちりな状態でした。

1点でも良い点になる事を願ってます。ファイト!

理不尽な採点? ②

こんいちは、加茂駅前校の津村です。

今回は前回の続きからです。(↓前回の内容はコチラ!)

https://wp.me/pcRRya-1N1

前回、とある高校生が『納得できない』としていた問題。本人の思考をコメント付きで考えるとこういうことになります。

確かに、絶対値というのは+,-がその値である事を示すものなので、|ⅹ|=3であればx=±3 になりますし、|ⅹ|≦3とであれば -3≦x≦3 となります。

そのあとの式の整理も数直線上に図示した整理もミスはなく実際の答え(模範解答)を見ても答えはx=-1/5 となります。

さらに言えば、この回答を他の高校の数学の先生に見せた場合、『ウチなら〇にしてた』という反応を返されても不思議ではありません。

 

では、何がまずかったのでしょうか?

それは絶対値の側より大きくなるはずの3x+2が『本当に正の値なのかどうか』が説明されていないことにあります。

要は、|ⅹ|=-5 なんてものはあり得ないですし、|ⅹ|≦-5 なんて値も取りようがありません。

つまり絶対値より大きな値を取るはずの3x+2が負の値になるというのは矛盾が生じるので、そういった値は排除しなければならないのです。

では、この矛盾点を出さないように3x+2>0という式を導入して解いたものがコチラになります。

はい、先ほども述べた通り、答えは結局x=-1/5 となります。

『じゃあ、結局意味がない事の説明を求められてるなら理不尽な採点じゃないの?』となるかもしれません。しかし、この子が通う学校は合格実績の中に旧帝大レベルの学校が出るほどの進学校となっています。特に京都大学レベルにまでなってくると、『解答の最後の一押しが公式・定理の理屈に合うのかどうかを考えさせる』といった、難解なひっかけ問答も存在しているのもまた事実です。とはいえ、志望校によって学校内の生徒の〇×を変えるわけにはいかないので、この採点は『適正な判断による採点である』と言えるわけです。

↑そのうえでコメントからも×にするのは心苦しいといった様子が見て取れます。うん、気持ち分かるよ!

このように、いろいろな採点に関しては各先生の思惑や価値観があり、完全に統一するのは難しいものです。その価値観の違いを比べる事で『何をしてほしいのか』を考えると、学校内の事情など思いがけない発見があるかもしれません。

みなさんも謎な採点があった場合、ぜひいろいろと考えてみてください。

 


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いよいよ今週末!リンクス個別指導加茂駅前校では、現在泉川中学校生を対象とした『定期テスト対策攻略講座』の参加者を募集を行っています。

 

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理不尽な採点? ①

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、塾に限らず『先生』を仕事にしている人たちについてたびたび議論になる『採点』についてのお話です。


SNSが盛んになってからというものの、小学校(特に低学年が多いです)の保護者とみられるアカウントから理不尽な理由で×をつけられていることに(親子とも)納得がいかず、軽い炎上状態になることが散見されるようになりました。

こういった炎上でよく見られるパターンとしては『まだ習っていない漢字を使っている』『足し算やかけ算の順番が違う』といった素人目から見たら『別にいいじゃん!』と思うような事に揚げ足を取っているように見える事が多いのかとは思います。

ただ、これに関して僕自身は『勉強において気を付けてほしいポイントや立場によって変わる』という側面が大きく、それによって『守るべき』だったり『守る必要がない』と判断できると考えています。

勉強において気を付けてほしいポイントについての例を挙げると、小学校では『漢字の書き順』については低学年ほど口を酸っぱく言われますが、高校生ともなれば漢検の受験でもしない限りはあまり触れられる内容ではありません。

これは書き順は『筆で書いた字が墨でにじんだり、筆の上げ下げの関係でつながった時に、どっちから書いたかで見分けられるようにするため【図1】。』という歴史と特性から、『まだ字を書きなれていない小学校低学年は書き順を守っていれば〇をもらえる可能性が上がる』というメリットがあるります。


【図1】左と右の行書体(officeにて出力)
書き順を守ると『左』の横棒が上の斜め払いに流れているので、下の『エ』の部分がつぶれても読めるという事です。こういった見分け方は古文や考古学の研究に応用されているとか。

そうなれば小学校1・2年生などは特に『書き順は守るのが無難』という結論に落ち着くわけです。こういった場合は『守るべきルール』としては妥当であるため、採点としては『間違い』とした方がいいと言えます。

次に、立場によって気を付ける例としては、小学校の先生が4年生に『直方体の体積の計算』を教える時に【たて×横×高さ】で教えたのちに、3年生の時に学習した『九九の計算の順番は入れ替えても結果が変わらない』という事を忘れている子供たちの混乱を防ぐために【たて×横×高さ】の順で記載をする【図2】。といった配慮なども含まれます。



【図2】小学校の板書(ネットからの拾い物)

算数が得意な子や塾に通う子は内心『5×4先にやった方が楽やん』と思うかと思いますが、これも算数が苦手な子に対する先生の配慮の結果だったりします。

こちらについては、苦手な子についてはルールを守れば出来るわけですが、単元によっては『計算の工夫』を求める以上、そういった発想は今後の学習でより難しい問題を考える上で重要なスキルです。よって教える側の先生は『守るべきルール』であり、教わる側の小学生は『守らなくてもよいルール』となります。


では、これを踏まえて次の例を考えてみましょう。

これは実際に高偏差帯の某高校3年生の数学(入試演習授業)のテストの採点です。

【お礼】掲載許可くれた子。本当にありがとう!

8点問題のうち最初の方でのミスで-6点。内容としては高校1年生の1次不等式を少し発展させたもので、最終的な答えは”x>-1/5”というのも正解しています。

※ちなみにこの子、この問題が〇だったら100点満点だったという大変素晴らしい結果を出しています。だからこそ悔しいし納得できなかったようです(汗)

一見、何も問題ないように見えます(恐らくは僕もこの解き方をしてしまいます)が、よくよく×の理由を考えると、盲点となりやすい点が隠れています。

特に旧帝大国公立・高偏差帯私立大を受験したい高校2・3年生は1度考えてみてください。

続きはまた来週!


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②リーフレット - 加茂Ver

今回は期間も長く困っているお子様も多いと思いますので、今回だけの大判振舞い!

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真・天下一授業会

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

皆様、GW明けはいかがお過ごしでしたでしょうか?

加茂駅前校では一部中高生を除くと中間試験が実施されない関係上、5月も引き続きのんびりとした雰囲気で時が流れております。こんなに平和でいいのか?

そんな中、毎年GW前半に私たち立誠学院グループは『真・天下一授業会』を開催しています。

 

出場者は集団部各校舎にて教鞭をふるう猛者だらけ。

そんな大会に個別部門で唯一、

津村が参戦することになりました。

(作成サイト:https://smashbros-gen.netlify.app/ )

本日はそんな天下一授業会の様子をお伝えしたいと思います。

果たして津村は個別唯一の参加枠として爪痕を残すことが出来るのか?

 

①教科決め&練習

さて、参加するのはいいものの、『教科はどうするのか?』『単元はどこが良いのか?』など決めなくてはならないものがそれなりにあります。まずは、今回の試合のレギュレーションはコチラ!


1回選

制限時間:10分 教科指定なし

「わかりやすさ」「プロフェッショナル」「パフォーマンス」「魅力」

を各10点満点で採点(一部加点・原点要素あり)

経歴によってハンデポイントあり

2回戦

クジ引き 1回戦の順位によりくじの枚数が変動 3名が決勝へ

決勝

制限時間:8分 1回戦の教科は使用不可

いちばん好きな授業を投票で決定!

その他

服装自由


という事で、得意な教科をメインに据えながら立ち回ることにしました。そして選んだ教科と単元は

1回戦:理科 3つ以上の抵抗の計算

決勝戦(行けたら):数学 式による説明(3年Ver.)

の2つに決定しました。

単元が決まれば後は練習あるのみ!

夜中に講師の先生方に授業を見てもらいながら練習を重ねます。

 

②1回戦

そうして加茂駅前校でコソコソと準備を行いながら迎えた大会当日。

会場は椥辻北校です。

今回、個別指導歴はそれなりにありはするものの、クラス城陽校で集団授業を担当し始めてまだ2か月というド新人状態。カテゴライズ的には「プロフェッショナル」については得点はそこまで見込めないと踏んで、『わかりやすさ』『魅力』でどこまで勝負ができるかにかかっているという判断を下していました。

そこで、当日の『魅力UP』のために選んだ服装がコチラ!

溢れ出す知性をアピールできる『素数Tシャツ』です!

そこ!変なヤツって言わない!

さあ、あふれ出る知性を感じる衣装(?)でまずは試合の順番決めです。

クジ引きの結果、順番は4回戦後半。対戦相手は古賀先生です。

(ちなみにネームタグのカラーは 赤:立誠最古参 青:ベテラン 黄色:中堅 緑:若手 ピンク:初参加 です。このカラーランクが後ろになるほど、ハンデポイントをもらえます。)

序盤から、現在進行中のウクライナ戦争に触れながら授業をする先生、自身のキャラクターを前面に押し出しながら解説を行う先生、中学受験理科のような深い知識を持って授業を行う先生と、周辺は強敵ばかり(汗)

そんな中、いよいよ出番の第4試合がやってきました。

対戦相手の古賀先生は高校数学Ⅰの『式の計算』で勝負をしかけてきました。状況的にもまだ中学生のノリが残る高校1年生(4月)たちに、解き方のコツを丁寧に伝えながらの授業。かなりうまい授業でした。

難なく授業をこなし、ついに僕の手番がやってきました。

開始前にある程度の板書が許されていたので、まずは授業予定の4パターンの回路の板書を行います。

さて、この3つ以上の抵抗の計算ですが、①,②はなんとなく『直列回路・並列回路の公式を伸ばすだけでいいかな?』という形で想像ができるかと思います。

では③,④のように直列と並列を混ぜた問題はどうすればいいでしょう?

このタイプの問題自体は、定期試験でたまに見かける問題ではありますが、正直に言えば『100点阻止のイジワル問題』という側面が強い難問です。それを10分間で解説しきるという条件なので、準備中にも

『え、ムズいやろ。』『大丈夫なん?』という感じの、集団指導部の皆様のザワザワを聞きながら準備をしていました。

 

そして、準備も出来たので予選用の授業開始です。

公式の確認をして~

①は直列やから足し算して~

②は並列やから逆数の足し算にして~

『もうどれだけ数が増えてもこの公式を伸ばすだけやから楽勝だよね~……』

『ってナニコレ⁉(迫真)』というか自分で書いたやん(笑)

と、全体を大きく惹きつけたところで解説を続行します(笑)

では、先ほどの答え合わせですが、このように直列、並列が混ざった抵抗は下の図の赤で囲ったところのように1つの大きな抵抗としてみることが出来ます。(この考え方を『合成抵抗』といいます)

ということで、③は赤の部分の直列の抵抗を出した後に並列の公式に入れて計算。④は赤の部分を並列の抵抗として扱って1つの抵抗を出した後に直列の公式に入れて解説を終了。

やれることはすべてやりきれたと思います。

 

という事で、得点を集計して結果発表です。

どうやらお互いが周囲の予想以上に目を見張る授業を行ったため、前代未聞の両者800点超えのハイレベルな戦いだったようです。

そんな中で、どうにか数十点の僅差で競り勝ち、津村はどうにか2回戦への進出を果たすことになりました。

『古賀先生、楽しいデュエルだったぜ!』


そして、試合終了後も2点差の熱いバトルが繰り広げられたり、ゴリゴリの国公立中学受験対策の国語の授業が行われたりとハイレベルな授業が展開され続け、最終的に2回戦へと進んだ先生方がコチラ!

ド新人(津村)から社長までが揃う非常に熱い1回戦となりました。

 

③2回戦

さて、2回戦は1回戦の得点が高い順にクジを多く割り当てた抽選です。

得点の順位はコチラ!

1回戦は集団部の皆さんの予想以上の授業を行って、ハンデポイントを含めた不意打ちを成功させた津村がトップ通過(838点)です(^^♪

1位通過は63枚のクジの中に20枚というかなり多めの枚数は入れられていますが、それでも30%程度は決勝に進めない可能性はあります。

といった心配はしていましたが、特に問題もなく決勝に勝ち進みました。

決勝戦は、栗本レオ先生・津村・佐々木先生の3人となりました。

ちなみにこの3人は全員クラス城陽校勤務だったりします。すごい偶然。

 

④決勝戦

さて、そんな決勝戦ですが、いきなり衝撃のオーダーが飛んできました。

社長『あ、予選の時間が押しててこの後の飲み会の予約時間がヤバいから1人5分な。』

決勝進出の3人『えっ(困惑)』

これにはかなり参りました。そう、僕は決勝用に用意したネタは『式による説明』という内容が濃い~ものです。正直8分でギリギリな量でもあります……汗

とはいうものの準備しているものを変える事もできないので、無理矢理授業スタート。話したいことが話せたかというと微妙ではありますがベストは尽くしました。

 

さて、という事で結果発表の時間。最後については『一番良かった授業』にという評するシステムです。

優勝は

栗本レオ先生

 

授業構成が唯一8分構成から短くできる(多角形の外角)単元セレクトだったことが功を奏していたように感じます。

ちなみに津村は初参加で予選1位通過を成し遂げたことで、新人賞をもらうことが出来ました。

 

⑤そのあと

終了後はそれぞれの健闘っぷりに対しての激励が飛び交う飲み会でした。

普段より集団指導でブイブイ言わせている先生からも、『すごかった』とのコメントをたくさんもらうことが出来、とても良いGW前半となりました。

(新人賞のスリッパ&ジュエル座布団。ちなみにこの写真、後ろの『自慢』がいい味出していると好評です笑)

とはいえ、今回はハンデポイントがかなり有利に立ち回った結果でもあるため、まだまだ授業には改良の余地アリです。

ということで、1回戦(理科)の皆さんの感想をいくつか紹介します


①一番辛口なコメント

要約:合成抵抗よりもVやAを使う方が楽なことが多くない?

はい、その通りです(笑)

でもそれを入れると25分くらいの授業になりそうだったので割愛しました。まあ、実際の授業では『最短経路で求める練習』の授業を行うことになるんだろうなぁ。

②一番甘口なコメント

要約:構成が段階的で計算方法まで解説してくれたので、初心者として最高に復習出来ました。

かなりハードな内容を『これならできそう!』と思ってもらう事が1つの目標だったのでうれしいコメントでした。

③一番うれしかったコメント

要約:ホンマにこの前クラス指導持ちたてなん?良かったです。

ありがとうございます!

まあ、加茂では定期試験前後で簡単ながら授業はしてましたので(笑)

④Tシャツについてのコメント

計画通り!

⑤優勝者 レオ先生のコメント

要約:緊張してた?「え~っと」って言うの多かったけど。汗

あ、それ口癖です(汗) ちなみに緊張はそこまでしていませんでした(笑)

ですが、場合によっては子供たちを不安にさせる良くない口癖ではあるので、これは要矯正ですね(汗)

⑥我らが山田先生のコメント

ハンデポイントおいしかったです(笑) そして安定のツムツム呼びは固定のようです(笑)

次はハンデが大幅に減っていると思うので引き続きスキルアップ頑張ります!


平均ポイント(10点満点)

わかりやすさ:6.36点

プロフェッショナル:5.55点

パフォーマンス:5.86点

魅力:6.59点


最後に個人的な感想ですが、僕に限らず出場したすべての社員が夜遅くまで練習したりとゴリゴリに努力を重ねていました。そんな刺激多岐な授業がと努力のぶつかり合いの中で一定の結果を残せたことは非常に自信がつく結果となりました。

来年は、容赦なく他の社員さんとも戦う事となると思いますので、個別という空間ではありますが、引き続き子供たちに落とし込みやすい授業を日々心掛けていこうと思います。

 

おまけ

教室にて『ドヤッ!』と掲示される新人賞の賞状

 

CM

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子供たちの幸せな気持ち

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

新年度、例年よりも早咲きだった加茂駅周辺の桜はすでに葉桜となっております。本年度も加茂・和束・笠置エリアの子供たちと共に頑張って参ります。

さて、春期講習期間中、授業と新規面談と骨折の痛みでバタバタしている中で、こんなニュースを見かけました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/9b75822b2f9c5423b0b7348285799076fa1ea823

内閣府が4/1に発足した「こども家庭庁」の創設に関わった内容として、「子ども・若者の意識と生活に関する調査」を行ったところ、10代前半(主に中学生が該当)の94.2%が「今の自分が幸せだと思う」と答えるなど、若い世代の幸福感や自己肯定感が高いことが分かったとのニュースです。

実際の記事内でのコメントでは、

『そう思えるってことはいい事!』

『学校の先生もかなり柔軟になったしね』

といった肯定的なものも一定はありましたが

『まだ社会の厳しさを知らないだけ。』

『だったら何故昨年の若者の自殺者数が過去最悪だったのか?』

という否定的な声も見られました。

では、実際に多くの10代前半の子供たちと触れ合っている僕はどう感じるかというと、『そりゃそうだろうなぁ』と感じることは多くあります。

少なくとも、この20年間で子供たちの自己肯定感が上がり、ストレスが低減するような事として思い当たるのが、

【家庭】

・親世代が、より『子供の考えを尊重する』ような傾向が強くなった。

・家にいながら学校のコミュニティに気軽に触れることが出来るようになった。

【学校】

・発達障害などの知見が向上し、画一的な指導から個性を認める指導へと変化していった。

・不登校などの状況にも柔軟に対応することが増えた。

【社会】

・『ハラスメント』という言葉の定着によって、社会全体のモラルが向上している。

・流行りのゲームや漫画など、子供たちの間でのみ話されていたような趣味が、大人にも共有されるようになった(というより様々なサブカルチャーに慣れ親しんだ世代が大人になったと考えるべきかもしれませんね)。

と多くの面で子供たちの自尊心を守る環境が整っているように感じます。

ただ、その一方で子供たちとコミュニケーションをとっていると、

『中学生になってしまった。勉強が難しくなるのは嫌だ。』

『高校に入学したけど、もうこのタイミングで中学校が恋しい。

というように、現状(もしくは過去)が『幸せ』だからこそ、人生のステップを上る事を怖がっているという側面も見えて来ます。

 

子供たちにとって、大人とは『不幸』なものなのでしょうか?

『大丈夫。大人になるって悪いものでもないよ。』

そんな風に言えるオトナになれるよう子供たちと接していこうと思う今日この頃だったりします。

今年度の入試を終えて ~昨年度との比較~

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、本日は卒業式。加茂駅前校周辺の中学校も本日に式を執り行っていました。本来であれば卒業式時に校門前で出待ちなんかをしたいと思ったりしていますが、マスク推奨の解除となった現在もマスクをつけながら卒業式をしている様子から、自重をする津村でした。来年こそは……

さて、本日は前回に引き続き、今年の入試の総括としまして、『公立高校入試の総括』を行います! 昨年は理社の難化が見られましたが、果たして今年はどうだったのでしょうか?


国語(主観:やや易化)

前期に続き、読みやすい問題が多かった印象。実際に泉川中学校では2年生が国語の時間に内容に触れるなどをしていたようで、問題自体がそこまで難易度が高くなかったことを示す所作なのかもと感じられる。傾向自体も大きく変わることはなかったため、赤本での練習量で出来が変わるように思います。

社会(主観:やや難化)

こちらも例年通り地歴公民混合問題ががっつりと出題された。例年に比べて単元横断が節操なく飛び回り、かなり荒ぶっていたような感覚。ただし、その状況に順応さえすれば、問題自体は語句問題から地図・グラフ・資料読み取りといつものパターンであるともいえる。

PICK UP

大問4(3)※要約

次の文章はサウジアラビアから日本まで石油を運ぶルートの説明である。このルートにあたるラインを地図上に書き記せ。

【地図】

  

【文章】

アラビア半島に位置するサウジアラビアを出港し、ペルシャ湾を出た後、マレー半島の南端を回って北上し、さらに台湾とフィリピンを隔てる海峡を通って日本に入港する。
津村のコメント

実際の石油の輸送に使われている航路を答える問題であり、大まかに世界の国の位置や地名をしっかりと把握する必要のある問題。

ちなみにこの内容は『地政学』という外交や国家間の戦争について考える上で非常に重要な学問の基礎部分となっています。

【答え】

こうやって見ると、台湾有事は日本に中国軍が来なくても大きな影響があることが分かりますね(汗)

数学(主観:難化)

比較的簡単だった去年に比べて、それなりに思考力も求められるような、歯ごたえのある問題がそろった印象。ただし、状況の理解や規則性の発見などが難解な問題はあまり多くないので、落ち着いて状況を整理できるかが一番の鍵となっている。激ムズ化しなくてよかった~

PICK UP

中期 大問3(2)※要約

袋X・Yからカードを取り出し、数字の大きい方が勝ちというゲームを行う。袋Xに4のカードを、袋Yには2・5・7・8・10・13のカードを入れて袋X・Yの勝率を同じにするには袋Yにはどのカードを入れるべきか。考えられるものを全て選べ。

津村のコメント

確率の難しい問題は『状況を読み取りづらい』事が原因だったりする事が多いですが、この問題は『確率を1/2になるようにしなさい』という、答えがいくつもあるような、別の方向で面倒な問題。

お互いのカードは4枚ずつとなるので、4×4の表や樹形図を記入して8/16となるように調整を行えば問題は解ける。

 
1 4 9 12
3 Y X X X
6 Y Y X X
11 Y Y Y X
Y Y  X  X

このように『4には勝てて9には負ける』カードをYに入れればよい。

【答え】

5・7・8

理科(主観:難化)

確実にここ2年間で計算・思考問題を増やしてきており、恐らく受験生が一番戸惑ったであろう教科。ただ言葉を覚えるだけ・実験の内容を理解しているだけという時代は完全に終わりを迎え、ここからは一定の思考力を求められる問題が出ることが予想されます。(正直、ウチでも何か別途で対策を考えようというレベルだったり……)

PICK UP

中期 大問8 ※要約

Aさん:この荷物、重たすぎます。床に摩擦がなかったら楽に運べるのに!

先生:まあ、その通りではあるが、その場合は人と床の間も摩擦が無くなるぞ。

Aさん:あ、そっかぁ。荷物にも人にも床との摩擦がない場合、どんなことが起こるんですかねぇ。

先生:じゃあ、こんな図の状況を考えてみるぞ。



先生:摩擦のない床の上で、自分より重い荷物を床と平行に押すときに、床に垂直・平行な向きにかかっている力に分解して考えて、人と荷物がどう動くか考えるぞ。

(後略 問題はすべて会話分の穴埋め)
津村のコメント

京都の問題は、実際の実験にのっとったものが多いのですが、この問題はまさかの『思考実験』という実際に起こっていない事・起こりえない事を想像しながら解いていく問題になっています。公式などにあまり触れていない中学生が思考実験について考えるには、似たような事例をうまく想像できるかどうかが重要です。今回のケースですと、『よく滑る台車とローラースケートを履いた人が実験を行う』といったケースや『スケートリンクで実験を行った』といった状況が近いと言えるでしょう。

英語(主観:やや易化)

点数配分は昨年と全く変わらずだが、長文問題が例年より短く、とっつきやすくなったような感覚。問題内容としても、文法から内容理解・内容理解を踏まえた上での読み取りや会話文など、本当におなじみの構成。こちらも国語同様に赤本での練習量が大事だったように感じる。


さて、いかがでしたでしょうか?

個人的には年々難しくなる理科に戦々恐々する子が新中3生にも多いんじゃないかなぁと想像してしまったりしています。

とは言え、どんな状態でもしっかりと問題に向き合える状態にしてあげる事が塾としての務めです。改めて兜の緒をが締まるような気持ちになる問題分析でした。

前期試験を終えて

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、加茂駅前校では2/6から奈良の私立が、10日には京都私立・16日に前期試験と受験生たちが続々と試験を受けてきました。

まずは、毎年恒例の合格校の発表から!

RESULT(私立編)

奈良育英高校

高大連携Sコース:1名

国際理解Gコース:1名

総合進学コース:1名

奈良文化高校

看護学科:1名

大谷高校

インテグラル:1名

京都橘高校

総合類型:2名

京都廣学館高校

アドバンスコース:2名

ジェネラルコース:7名


ひとまず、無事に全員高校生になることが出来るようでホッとしています。

(まあ、高校浪人なんてほとんどないのですが 笑)

しかし、ほとんどの生徒の本命は公立入試。引き続きバリバリと指導を行っていきます!

 

さて、そんな入試期に個人的に楽しみにしているのが問題傾向の分析。なんやかんやで7~8年くらい公立の問題をいろいろと見続けているので、『今年はどんなん出たかな~』と(受けてきた生徒の疲労感とは裏腹に)楽しみにしながら問題を見ています。例年に倣って、今年の問題がどんな感じだったのかを津村目線で分析したものを載せさせていただきます。


国語:昨年比の難易度

やや易化

人文学系統の現代文2題と古文1題といういつもの構図ですが、古文が読みやすいなどの理由から昨年に比べて簡単だったように感じます。

また、問題自体は知識系が16/50点と3割を占めるいつもの構図ですが、特にこの辺が簡単だったので、そこでどれだけミスがないか・それ以外でどこまで点を稼げたかがポイントとなってきます。

津村Pick Up問題

大問1.(2)

本文中の一律浮き彫りにするの意味として適当なものを、次の選択肢の(ア)~(エ)・(カ)~(ケ)の中から選びなさい。

一律

(ア)例外なく全て同じ (イ)はっきりしていて確か

(ウ)深みがなくて単純 (エ)秩序だって厳格

浮き彫りにする

(カ)新たにする    (キ)目立たせる

(ク)華やかにする   (ケ)ゆがませる

意外と今までの問題では多くなかった印象の問題が、このような普段使う言葉を説明させる問題。急に出てくると結構ヒヤッとするものです(笑) 普段、自分だけでなく大人やニュースキャスターなどがどうやってこの言葉を使っているのかというのがこの問題を解くときの大きなヒントとなると思います。

答え:(ア)・(キ)


数学:昨年比の難易度 やや難

まあ、去年がけっこう簡単だった印象がありますので(笑)

問題配置はいつものように1.小問・2.統計・3.空間図形・4.関数・5.平面図形・6.規則性と大きな変化はありませんでした。(まあ、2.の統計が資料の整理と活用なのは若干のレアポイントだったりしますが…… たぶん中期は確率が大問にあると思います)

クセの強い問題はあまり見られませんでしたが、正確な数学語句の把握・空間把握能力などをバランスよく見るテストだったと思います。

個人的にはここ数年で一番好きな難易度感かもしれない……(ぇ

津村Pick Up問題

大問4

以下の図のように関数y=a/xのグラフ上に3点A,B,Cがあり、点Aの座標は(2,6)、点B,Cのx座標はそれぞれ4と-4である。また、2点A,Bを通る直線とy軸との交点をDとする。

(1)aの値と△BDCの面積を求めよ。

(2)点Bを通りx軸に平行な直線と2点CDを通る直線との交点をEとする。また、直線BE上に点Fとり、四角形COFEの面積が△BDCの面積の2/5倍になるようにする。点Fのx座標を求めよ。

後半の難易度は高いですが、その気になれば2年生でも解けてしまう問題です。座標平面上であっても図形の時に習った定理が使えるかどうかが非常に重要となっています。解説は分けておきますのでぜひ自信のある中学2年生の皆さんは解いてみてください。

答え:(1)a=12,△BDC=36 (2)8/5

解説はコチラ

津村Pick Up問題 大問4 解説編

英語:昨年比の難易度 平年並み

リスニングの配点から英作文の配点まで全く普段通りで、長文自体のレベルも大きく難しくはないというのが実際の印象です。例によって長文問題をどれだけ効率よく読めているのかが大きなポイントと言えると思います。

津村Pick Up問題

大問3(7)

本文中の内容(略)に合うように次の質問に指定語数で英語で答えよ

(a) Do Ryo’s uncle and Ken work as a guide on the tour in all seasons?     :3語

(b) What were the corals like to Ryo when he finished transplanting them?:4語

本文内容は、親せきの家に遊びに行った良(Ryo)が、サンゴの綺麗だった海岸からサンゴが死滅している事にショックを受け、その原因と対策を講じるグループの見学を通して学んだことを発表したスピーチ文でした。こういった問題はしっかりと文章を読まなければいけないのですが、答え方を知っていることで探し出す時間を短縮することが出来ます。例えば(a)であればDo ~ ?と言われているのでYes,I do.かNo,I don’t.の2択しかありませんので、該当箇所を見つけて〇×の判断でOKです。一方の(b)は「~のようだ」と言ってますか?といった具合の質問なので、文中から”like”の単語を探せばすぐに見つかる事でしょう。

答え:(a) No,they Don’t. (b)They were like stars.


さて、いかがでしたか?

前期の結果は水曜日に発表となっています。うまく行かなかった子は「どこで点数を取るか?」を再確認するラストチャンスとも言えます。しっかりと対策の上で中期試験に臨んでください。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 筆者後語り編

こんにちは、加茂駅前校の津村です。

さて、年末年始に急にミステリー小説のようなものを書き出していたため、多くの方が『?』となっていたでしょう汗

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【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 解答編

という事で、今日はこのお話の書くに至った経緯や、小説内に出てきた元ネタについてお話しようと思います。


Q1.なんでいきなりミステリー小説?

2学期末が終わり、冬期講習も近づく12月上旬。ウチの教室に通う中学2年生から衝撃の相談を受けました。

『冬休みの数学の宿題、推理小説を書いて来いってのが出るらしい。』

『? 数学で? 推理小説? 国語じゃなくて? そもそも国語でもそんな宿題聞いたことないぞ?』

どうやら聞いていると中学2年生の後半で学習する『証明』の単元は、論理的な説明力が求められるから、〇〇だから△△→△△だから◇◇といった論理展開の練習に最適!ということで出題された様でした。

他の教室の先生と話をしても、このパターンの宿題(当然ですが)は前例がないらしく、もう笑うしかないという表情でした。

とはいうものの、大人ですら『どうやったらそんなもん書けるんや?』となってしまうものです。中学2年生にはかなり大変です。しかも数学の宿題で出されている以上、推理シーンにはしっかりとした論理展開が求められます。

これは実際に書くとしたらどう発想して書き進めるのかも含めてヒントを与えてあげないと手つかずの宿題が気になって冬期講習の授業に集中できないなんて子が出てくるぞ……。

 

じゃあ書くか。後書くならブログにするか(笑)

という、なんとも軽いノリで中学生の宿題をガチ取り組みする事となったのです。

【宿題の要項】

・推理小説であること

・文字数は2400字以上

・数学的な要素が入っている事

ちなみにブログの文字数は合計5500文字程度でした。レギュレーションは余裕の突破です(笑)

 

Q2.数学と絡めるための工夫

さて、数学というと計算やグラフ・図形などを想像してしまう事がほとんとだと思いますが、ここで使う数学は推論です。

推論というと難しそうに聞こえますが、小学校の教科書にも載っている

あきらさん、かつやさん、さとしさん、たいきさんに好きなスポーツを聞きました。4人の答えはバラバラで野球・サッカー・テニス・水泳でした。それぞれの好きなスポーツは何でしょう?

・あきらは野球ではない

・かつやはテニスではない

・あきらとさとしはサッカーでもテニスでもない

(啓林館小4 わくわく算数 より引用)

みたいなアレです。この論調でお話を考えれば、

『好きなスポーツはあきらさんがサッカー・さとしさんが野球・かつやさんがサッカー・たいきさんがテニス。そして現場にはバットが落ちていた。ということはさとしさん、あなたが犯人ですね!

といった具合に一番大事な推理パートがとてもそれっぽい感じに作成することができます。

ただ、4人とかだと小学生でも解けてしまうため、簡単には解けないような形で出題しようとなり、問題方面については凝りに凝りまくった結果、推理小説というよりかは、23人の容疑者とパズル風な証言がそろった『推理をしてもらうための小説』が完成してしました。

会話シーンだらけなことも考慮すると『レイトン教授シリーズ(©レベルファイブ)』の謎を作っている感覚でした。いやー、ゲームデザイナーってすごい。

Q3.登場人物たちなどの元ネタなど

当然ですが、最初からキャラ設定を考えるような発想力は津村にはないので、ありとあらゆるところからネタを拝借しまくってます。

容疑者・被害者・探偵たち

元々、席の位置をA席・B席……と決めていたので、『Aさん・Bさん……』でも良かったのですが、どうせアルファベットにするならということで、『ギャシュリークラムのちびっ子たち(1963 エドワード・ゴーリー著)』より名前を引用しました。

このお話は

A is for Amy who fell down the stairs
(Aはエイミー かいだんおちた)
B is for BASIL assaulted by bears
(Bはベイジル くまにやられた)

というように、アルファベットに対応した名前の子供たちが順番に死んでいくという大人向け絵本で、多くの作家に影響を与えています。かくいう僕もアルファベットにちなんだ名前を付ける時はこの名前をパクり倒しています。被害者がファニーさんだったのも”F is for FANNY”のページからの引用です。

で、余ったYのヨリックとZのジーラはこの事件に挑む探偵ポジションに落ち着くことになります。

警察官たち

とりあえず、推理の苦手な人目線としてのツッコミ的ポジションをやりながら、相方には証言を見て『なんじゃこりゃあ!(© 松田優作)』と叫ばせることは決まっていました。このネタ、今の学生に通じるのか?

そこで、ツッコミ役かつ相方がボケで倒れた描写が出てきて、フリー素材的な使い方ができるキャラを想像した結果、頭の中で

この画像が浮かんできてしまったインターネット老人会世代の津村なのでした。2ch黎明期を生きた30~40代前半の方には伝わるかも……

ファニーさんの殺害方法

無難な落下死ですが、死体発見時の状況については、インターネットで有名な様々な作品のギャグ的な殺害をピックアップして混ぜていました。

『眉間に芋けんぴ』

©松本ひで吉『さばげぶっ!』より

『餡子に顔を埋める』

©よみうりテレビ アニメ『名探偵コナン』より

引用しておいてなんですが、いったいどういう状況なんでしょう(汗)

殺害動機

ここまで見ていただいたら分かるかと思いますが、津村は謎と推理の構成で力尽きて他の設定が驚くほどテキトーです(汗) いいんだよ、宿題の要件は満たしてるんだから

しかし、(有名な話ではありますが)『エビのしっぽってゴ〇ブ〇の体と成分一緒』というのは本当だったりします。まあ、同じ節足動物ですからね(汗)

とはいえ食事中に言われたくない雑学の1つですね。皆さんも会話のTPOについては気を付けましょう。

Q4.書いてみた感想は?

仕事の合間を使っての執筆でしたが、数学的な思考を持たせるための工夫などを中学2年生までの知識を総動員した場合どうなるのかを考えてストーリーの方向性を決め打った結果、一番重要な推理パートは『理詰めによる真偽判定』だけでなく『ウソの証言から新たな証言を導き出す』というあたりまで掘り下げることができたのでとても満足しています。一方でそれ以外のシーンの掘り下げについてはまだまだ修行が必要かと思います(汗) もっと国語の授業持とう

総合的に考えると、ただ書くだけならどうにかなるけど、よいものを書こうとすると途端に難易度が跳ね上がるような、深みにハマりそうな宿題でした。


さて、いかがでしたか?

教育課程が変わり早2年。今後もこう言った趣向を凝らした宿題の出題はあるかと思いますが、解決策をある程度提示できるように今後もこう言ったことは続けていこうと思っています。生徒の皆さん、他にもおもしろい宿題(長期休暇課題)があったらいつでも教えてくださいね。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉ 解答編

※この物語はフィクションであり、実在する人物とは一切の関係がございません。

※こちらは前回のブログの解答編となっております。チャレンジしてみたい方はこちらのリンクへどうぞ。

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉


人物紹介(色はセリフの文字)

探偵助手ジーラ

探偵助手。相槌・ツッコミ担当。

探偵ヨリック

探偵。ジーラの上司。何気に頭いい。

やらない夫警部

刑事。苦労人。本人も部下も頭を使うのは苦手。

ファニーさん

被害者。死に方がカオス。

容疑者たち

 

ファニーさんと同じ時間に食堂にいた容疑者たち。証言が謎解き風。今回の混乱の元凶。


1.状況の整理

「ヨリックさん。この無茶苦茶な状況で犯人って見つけられるんですか?」

「さあ?でも1つずつ解き明かしていけば真実にたどり着けるはずだよ。」

この人はこういう時ほど不敵な笑顔を見せてくる。

「じゃあまずはファニーさんの証言をまとめるとこうなるね。」

・犯人は1人だけ
・うそつきがいるが、何人が嘘をついているかは不明。
・エイミー・ベイジル・クララ・デズモンド・アーネストの5人は信用できる。
・犯人はファニーと同じものを食べていた。
・オムライスを食べた人は正直者

あと、ここから証言が正しい人の発言を青で、うそを言っている人の証言を黄色で塗りつぶしていこうか。

推理メモ1

 

「じゃあ、容疑が晴れる早速正直者をもう数人探していこうか。まず、ネビルさんは正直者クララさんの発言からオムライスなので容疑者から外れる。で、そのネビルさんの証言からクェンティンさん・ローダさんもオムライスを食べたことになるからこの2人も容疑が晴れる。逆にクェンティンさんをうそつき呼ばわりしているオリーブさんはうそつきになるから第一の容疑者となる。あとザクシーズさんもウソをついているね。」

「え、ザクシーズさんもですか?」

「彼の発言はファニーさんがオムライスかうどんを食べたと言っているが、もしファニーさんがオムライスを食べていたら犯人もオムライスを食べていることになるから間違い。そしてうどんを食べた場合だと向かいに座ったアーネストさんがうそつきになるが、これはファニーさんのメッセージとの矛盾が出てくるのでこれも間違いになる。よって、ザクシーズさんもうそつきとなる。そして、これと同時にファニーさんも犯人も共に天丼をたべたという事が分かる。」

ヨリックさんは次々と容疑者候補を選別していく。そのうえでこの解説をするのだ。やらない夫警部も舌を巻いている。

「なるほど。では、マーカーはこれでいいか。」

「ありがとうございます。あと今回は食べたものが重要になるので証言の横に食べたものをメモっておいてください。」

「よし、じゃあこんな感じだな。」

推理メモ2

 

「じゃあ続けよう。クェンティンさん・ローダさんの証言を整理すると、ヴィクターさんはタイタスさんにうどんを手渡ししているから向かいの席のスーザンさんがうそつきに、ジェイムズさんとケイトさんはタイタスさんと同じものを食べていたから2人ともうどんを食べることになるからその向かいに座ったアイダさん・リーオさんもうそつきになる。」

「なるほど、じゃあこうですね!」

推理メモ3

 

どんどん正直者とうそつき・食べたものがあぶり出されていく。23人いた容疑者は15人まで減り、特に怪しい人物も5人に絞れている。
これなら行けそう!

 

と思っていたんだけれど、ここで私とやらない夫警部はまた頭を悩ませることになった。発言の真偽が分からない10人の証言のどこからとっかかればいいのか?私は顔をしかめて、やらない夫警部は集中力が切れたのかタバコをふかしている。

「あれ、もしかして2人とも手詰まり?」

ヨリックさんはもうすでに分かっているようだ。こういう時にもったいぶって黙ってしまう。

「気づいてるならもう聞かせてくださいよ。私たちは総当たりで仮説を立てまくってもう考えるのに疲れたんですから。」

「やれやれ。じゃあ、ここからも名探偵ヨリックの推理タイムと行きましょうかね。」

「いや、君に仕事の依頼をしたんだから君がやるべきだろ。常識的に考えて。」

2.偽証の裏に

 

「じゃあ、推理タイムの続きだ。ここからはウソをついた奴らの証言も参考にしていくぞ。」

「うその証言をですか? うそをついているなら証拠にならないんじゃないですか?」

「そうとも限らないよ。ザクシーズさんとオリーブさんは正直者との矛盾があったから追及する必要はないけど、残り3人は向かいの人がうどんを食べていたという客観的な事実からでしかうそつきを説明できていないんだ。じゃあ手始めにリーオさんの発言を使って考えてよう。『犯人は1班・2班のどこかにいる!』がウソとなるんだから、言い換えれば『1班・2班のメンバーは犯人ではない』とも言いかえれる。」

「そうか、じゃあ残りの2人の発言も反対の意味が本当になるとするなら……。アイダの発言からは『6班で天丼を食べていた人は正直者(犯人じゃない)』という事が、スーザンの発言からは『4班にうそつきは1人まで』という事が分かるのか!」

「そういう事です。そして4班のうそつきはすでにオリーブさんが出てきています。」

「だからモードさんとプルーさんの発言が正しい!これで推理がまた進みだすわ!」

推理メモ4

 

「とりあえずウソから出た事実には緑のマーカーを引いておこう。さて、この結果、6班にうそつきが2人いることが分かった反面、2班のジョージさん・ヘクターさんが正直者であることが分かったね。そこから、ヘクターさんから天丼を食べていることを確認されたスーザンさんの他に、3班のうそつきは天丼を食べているという内容から、アイダさん・リーオさんは天丼を食べている。これでめでたく容疑者候補筆頭の発生だね。」

「逆にうそつきが半分までの3班にいたジェイムズさんとケイトさんは正直者になりますね。」

「で、その発言が正しいとするならばウィニーさんはうどんを食べていて、5班で唯一うどんを食べていたタイタスさんはうそをついていたという事になる。」

推理メモ5

 

「そういう事です。で、タイタスさんの発言からザクシーズは天丼を食べておらず、さらにうそつきだからオムライスも食べていません。という事は彼の食事内容もうどんになるから、向かいにいたウィニーさんもうそつきという事になる。そして、この時点でプルーさんの『6班の半分はうそつき』の人数に到達したからウーナさんとヴィクターさんは正直者。そしてウィニーさんの発言から1~3班に犯人がいないという事ですから、アイダさんとリーオさんは無実となります。」

「という事は、犯人は……」

3.解決 そして

そこからの展開は早かった。やらない夫警部は犯人が分かるとすぐさま部下たちに指示し、浮かび上がった容疑者との街を使った追いかけっこ。港の倉庫街に追い詰めて逮捕へと至った。

推理メモ6

 

そう、犯人はスーザンさんだった。捕まった観念したのかスーザンさんは素直に供述を始める。

「ついカッとなってしまったんです。天丼のエビのしっぽを食べるのが大好きな私に向かって『エビのしっぽって〇キ〇リの体と成分一緒なんだってね。いやー、ゴ〇ブ〇みたいなのをおいしく食える人ってマジヤバいよね~。HAHAHA。』だなんて……。」

うわ~、確かにそれはエビのしっぽ食べない派の私でも聞きたくなかった……。

「食事中にあんなこと聞かされた私は芋けんぴを投げながらファニーを追いかけまわしていました。そして、屋上にいたときに芋けんぴが眉間に刺さってファニーは下に………。」
彼女は泣きながら謝り続けていた。

エピローグ

黄昏。事件が無事に解決し、私たちは事務所へと帰ることになった。これは後から分かったことなのでが、餡子に顔を突っ込んでいたのはたまたまそこに餡子があったかららしい。この餡子については事件性がないとの事で警察サイドでもスルーすることに決めたようだ。

「無事、解決出来ましたね。ヨリックさん、かっこよかったです。」

「探偵としてなら当然さ。」

ヨリックさんはタバコをふかしながら答えた。ここ、路上喫煙禁止なんだけどなぁ……。そんな考えを押し殺しながら私はさらにヨリックさんに尋ねた。

「そんな事より、私分からないことがあるんです。」

「なんだ?」

「ファニーさん。ぜった犯人分かってたと思いません?

「えっ?」

「だってそうでしょ。誰がうそつきで誰が正直者かをあらかじめ分かってたかのように答えるし!」

「おい、やめろ。それは作品の都合だから。筆者の構成力の限界だから!」

「もっと言うと容疑者23人も全員分かってたでしょ。だったら最初からスーザンさんが犯人だって」

「はい終ー了ー!」

【謎解きミステリー】ファニーさんを殺したのは誰だ⁉

※この物語はフィクションであり、実在する人物とは一切の関係がございません。


 

私はジーラ。この町で探偵助手をしてる。(以下セリフ赤字)

今日はこの定食屋で起きた殺人事件の応援として所長のヨリックさん(以下セリフ青字)と警察署内の会議室に来ています。

「あ、警部。お疲れ様ですー。」

気の抜けた挨拶でヨリックさんは入っていく。いくら警部とは顔なじみとはいえ、この軽いノリで殺人事件の捜査なんて大丈夫なんだろうか?

「あぁ、お疲れさん。すまない、急な呼び出しで。」

目の前には疲れた顔のやらない夫警部がホワイトボードの前に腰かけていた。

この人はやらない夫警部(以下セリフ緑字)。この人は見た目もスマートな正義の男って感じの人だけど、考えるよりもチームの指揮を執る方が得意なようで、高度な考え事はさっぱりらしい。

「今日はどんな事件だったんですか?」

しばしの雑談の後、ヨリック先輩が話を切り出す。やらない夫警部はサラッと事件の概要について話す。

「ああ、定食屋で殺人事件があったんだ。店のバイトがゴミ出しのために店の裏に出た際に被害者のファニーさんを発見。発見時、餡子に顔を突っ込んだ状態で眉間に芋けんぴが刺されており、死因は落下死だ。」

発見時の状況がカオスだし、死因に関係ないんかい。心の中でツッコミを入れていると話している警部の顔が曇る。

「そして、容疑者については同じ時間に食堂にいた客23人なんだが、この容疑者たちの証言が無茶苦茶でね。私が君たちを呼んだ理由もそれなんだ。」

「客が容疑者なんですね。従業員のアリバイは取れてるんですか?」

確かに、どうして客の中だと断言できたのかが分からない。

「当時の従業員は店主夫妻とアルバイトの3人で回していたそうなのでが、事件発生まで外に出れる状況ではなかったことが分かっている。それに……」

やらない夫警部は言いよどむ。

「容疑者たちの証言と本人が残したダイイングメッセージから客が犯人であることまでは分かっているんだ。」

「で、その証言が無茶苦茶と。ダイイングメッセージはどこに?」

ヨリックさんは切り出す。

「これがそのメッセージだ。本人の所有物であったA4のルーズリーフに書き残していた。」

ここに、私を殺した犯人について書き記していきます。私を殺した犯人は1人で、犯人は私と同じものを食べていた事は分かってる。あとは食堂のみんながアリバイを証言してくれると思う。でも、気を付けて。彼らの中にはうそつきが何人も混ざっているからすべてを信じないようにして。あと、エイミー・ベイジル・クララ・デズモンド・アーネストの5人は正直者だし、オムライスを食べている人についてはみんな正直者だと思ってくれていい。お願い、私を殺した犯人を見つけ出して!

「いや、死ぬまでに結構書いてんじゃない!」

私は思わず叫んだ。

そんな私をよそにヨリックさんは続ける。

「それよりも『オムライスを食べた人』とはどういうことでしょうか?」

「ああ、それはこの食堂では日替わり定食が人気で、今日のメニューはオムライス・天丼・うどんの3種類だったんだ。それで、証言者たちの文言もこの食事中のメニューと座席について触れているんだ。」

そういってやらない夫警部は当時の座席と証言の要約一覧を見せてくれた。

[当時の着席者]

座席

[証言の要約]
A:エイミー 『犯人はうそつきだ!』
B:ベイジル 『6班にはうそつきが1人以上いる』
C:クララ 『Nさんはオムライスを食べていた』
D:デズモンド 『うどんを食べた人の向かいの席の人はうそつきだ!』
E:アーネスト 『犯人のいるテーブルには2人のうそつきがいる』
F:ファニー 死亡
G:ジョージ 『3班の半分はうそつきで彼らは天丼を食べていた』
H:ヘクター 『Sさんが天丼を食べていたよ』
I:アイダ 『6班で天丼を食べていた人はうそつきだよ』
J:ジェイムズ 『Bさんは持ってきたうどんをWさんと交換していたよ』
K:ケイト 『5班でうどんを食べていたのは1人で彼はうそつきだよ』
L:リーオ 『犯人は1班・2班のどこかにいる!』
M:モード 『2班にうそつきはいない』
N:ネビル 『Qさん・Rさんは僕と同じものを食べていたよ』
O:オリーブ 『Qさんはうそつきだ!』
P:プルー 『6班の半分はうそつきだ!』
Q:クェンティン 『TさんとKさんはJさんと同じものを食べてたよ』
R:ローダ 『Vさんは持ってきたうどんをTさんと交換していたなあ』
S:スーザン 『4班にうそつきは2人以上いる!』
T:タイタス 『Xさんは天丼を食べていたね』
U:ウーナ 『OさんとPさんのどっちかがうどんを食べていたよ』
V:ヴィクター 『MさんとUさんはオムライスを食べていた』
W:ウィニー 『犯人は1~3班の誰かだ!』
X:ザクシーズ 『Fさんはうどんかオムライスを食べていたね』

「そう!こんな感じだからウチの捜査班全員が頭を抱えてるんだ!」

やらない夫警部は私たちに一通り目を通しきる前に声を荒げた。

「新人のやる夫巡査なんかこの証言一覧を見て『なんじゃこりゃあ!』と叫んでそのまま寝込んでしまってね……。」

その新人さんのネタが古すぎることはともかくとして、その気持ちは分かる。これはなかなかに難事件だ。

「ヨリックさん。これ、解決できるんですかね?」

「なるほどね、とりあえず少しずつ状況を整理していこうか。」


 

正解は1/13(金)に発表します。答えが分かった生徒の皆さんは津村まで。